宇宙怪獣
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宇宙怪獣(うちゅうかいじゅう)とは、地球外出身の怪獣を指す語である。2006年現在、地球外生命の存在は確認されていないので、現時点における宇宙怪獣は全てフィクションに登場する架空の存在である。
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[編集] 概要
フィクションにおける「宇宙怪獣」の実例は以下の2つに分けられる。
- 他の「怪獣」が存在する世界
- 「宇宙怪獣」しか存在しない世界
- 宇宙からやってきた巨大生命体が地球人の脅威となる場合、「怪獣」が存在しない世界でも「宇宙怪獣」と呼ばれる場合が多い。生命体が地球人の脅威とならない場合は「宇宙生物」、知性を持つ存在であった場合は「宇宙人」と呼ばれる。
そもそも「怪獣」は、人間の持つ未知の生物への畏敬や想像が産み出した存在であり、かつてはアフリカや南米、深海といった人知の及ばぬ場所に住むであろう生物 (UMA) をモデルとする場合が多かった。しかし、20世紀になって地球上のほぼ全域が探検し尽くされたことによりそのような未知の生物の存在するかもしれない地は無くなってしまい、怪獣もまた宇宙からやってくることになったのである。
[編集] 宇宙怪獣の例
[編集] トップをねらえシリーズ
『トップをねらえ!』及びその続編にあたる『トップをねらえ2!』に登場する、人類の天敵たる生物。基本的に本能で活動し、その総体数は天文学的数字であり、その種類も多岐に渡る。
- 巣は銀河系の中心に存在し、恒星に卵を産みつけ繁殖しながら人類の文明目指して破壊を伴う進軍を行う。また、バニシングウェイブ(ワープ時に発生する波動)を感知し、ひたすらその方向に向かう習性を持つ。
- ヱクセリヲン所属の学者の分析によれば、人類という銀河に沸いたバクテリアを駆除する免疫物質のようなものと語られていた。
- 最小単位が「兵隊」であり、宇宙空間では2~3時間が寿命と思われる。また、非戦闘時は「巡洋艦級」内で増殖している。個々の戦力は極めて低いが、その数は全種類中最大である。
- 「巡洋艦級」クラス以上から単体でワープが可能であると思われる。戦闘時は「兵隊」を放出し、形状は円錐型をしている。また亜空間でも正確に敵位置を捕捉し、攻撃する事が可能。ヱクセリヲン艦隊が太陽系へ向けて超長距離ワープを行った時、そのバニシングウェイブを感知し、その亜空間へ侵入したことがある。
- 旗艦クラスは基本的に巨大であると思われ、全長約1000キロ近い「母艦クラス」の存在も確認されている。その防御力は光子魚雷でさえ歯が立たなかった。
- 最大の脅威はその数であり、最大で100億を越える宇宙怪獣が同時に確認された。また約30億という数が冥王星の公転軌道に匹敵する大きさの集団で太陽系の雷王星(架空の第13番惑星)付近にまで侵攻した事があり、その侵攻を察知した観察員は、視野の七割が敵影に覆われて宇宙の色さえも変わって見えた事を報告している。
- 第一作『トップをねらえ!』では最終話にて宇宙怪獣の巣窟、銀河の中心「いて座A*」を超大型ブラックホール爆弾「バスターマシン3号機」にて破壊する「カルネアデス計画」を実行し、一時は消滅を確認したが、続編『トップをねらえ2!』でも変動重力源として生存しており、『トップをねらえ! NeXT GENERATION』でも出現している。
- なお、正式名称は「STMC」 (Space Terrible Monster Crisis) である。
- 『トップをねらえ!』サウンドトラックCDのライナーノートに記された「トップをねらえ! TV版放映リスト(架空)」及びドラマCDでは「巡洋艦怪獣ギドドンガス」「兵隊怪獣バボラー」などの名前が登場するが、本編ではこれらの名称は使われていない(作中で使われる宇宙怪獣断面図の原画には「Gidodongas」の記述が有るが画面上には写っていない)。
- 『トップをねらえ2!』最新巻の時点で確認されている最大の宇宙怪獣は、太陽系新11番惑星ブラックホールエグゼリオに封印されていた変動重力源であり、全長約12,000km以上である。今まで自身を封印していたブラックホールエグゼリオすら取り込み、その強大な重力操作によって重力レンズを形成、バスターマシン7号のバスタービームさえ捻じ曲げ、さらにバスター雷王星落としの直撃さえ物ともしない凶悪な装甲で人類を絶望させた。
- 一部の宇宙怪獣から、トップレスと同じクレフシン発光が確認されており、その超・能力によるワープや、亜空間での敵艦隊の正確な位置把握、本来宇宙空間では脆弱な宇宙怪獣の体組織を強靭なものとしているという可能性が示唆されている。また、その肉を食べることにより「あがり」を迎えるまでの期間が延びるらしく、これらが「あがり」を迎えなかったトップレスの姿だと語られる由来である。そういう意味ではタイタン変動重力源が、他の星で「あがり」を迎えなかったトップレスだというのは的を射た表現かもしれない。宇宙怪獣よりも上位の力を持つ「宇宙超獣」の存在も、『トップをねらえ! NeXT GENERATION』で確認されている。これら宇宙怪獣に対抗できるのは縮退炉搭載のバスターマシン初期ナンバー(シズラーも含む)のみであり、トップレスの力で稼動する20番台以降のバスターマシーンではせいぜい巡洋艦クラスが限界らしい。
[編集] ゴジラシリーズ
『ゴジラ』シリーズにおける宇宙怪獣の代表例がキングギドラであるように、宇宙から飛来した怪獣が宇宙怪獣と言える。
- 宇宙怪獣の多くがX星人や、ブラックホール第三惑星人のような地球を支配せんとする宇宙人によって利用されている。
- ゴジラシリーズにて宇宙怪獣に該当すると思われる怪獣は「キングギドラ(昭和シリーズ)」「ガイガン」「スペースゴジラ」「モンスターX(カイザーギドラ)」「オルガ」が上げられる。ただし、スペースゴジラに関しては、その由来が地球にあるため、正確には宇宙怪獣と言うべきでは無いかもしれない。
- ちなみにゴジラシリーズではないが、東宝作品の『宇宙大怪獣ドゴラ』が世界ではじめての宇宙怪獣と思われる。
[編集] ガメラシリーズ
『ガメラ』シリーズ全編において、主人公のガメラは古代文明の遺産(文明を守るための生体兵器)とされているが、昭和シリーズ総集編の宇宙怪獣ガメラにおいては、地球である少年によって捕獲されたミドリガメが川に逃がされたあと、宇宙人によって改造されガメラとして蘇ったために宇宙怪獣となっている。
- ガメラシリーズにおいて宇宙怪獣とされるのは「レギオン」、「バイラス」。
[編集] ウルトラシリーズ
ウルトラシリーズにおいては、宇宙から来た、比較的知能の低い生命体の事を総称すると思われる。「知能が低い」としたのは、逆に知能の高い宇宙から来た存在が宇宙人とされている事が多く、また、その宇宙人によって操られている事が多いため。
- ちなみに、『ウルトラマンA』では怪獣の強さのランク付けに怪獣、宇宙怪獣、超獣と使用されていると思われ、当作に登場した超獣は、怪獣や宇宙怪獣とその他のものを融合させて「怪獣を超えた怪獣」として誕生したものである。
- 宇宙怪獣と似た言葉に、隕石怪獣、彗星怪獣、宇宙恐竜等があるが、これらはカテゴリ分けというよりも、その怪獣の代名詞的な意味合いがあるので、宇宙怪獣としても構わないと思われる。
- 棲星怪獣ジャミラについては、高性能のUFOを自ら作り上げた上、元は地球人であることから、宇宙怪獣とは呼べない。むしろ怪獣と付くこと自体に疑問が残る。
[編集] その他の作品
- 超星神シリーズ
- 「宇宙巨獣」「宇宙恐獣」などが登場。