姑獲鳥の夏
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『姑獲鳥の夏』(うぶめのなつ)は、講談社から刊行されている京極夏彦の長編推理小説。探偵役の中禅寺秋彦が活躍する京極堂シリーズの第一弾である。書名に妖怪の名前が含まれるので妖怪シリーズとも呼ぶ。京極夏彦のデビュー作品であり、メフィスト賞創設のきっかけとなった。これを原作とした日本のホラー映画については姑獲鳥の夏 (映画)を参照。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 出版経緯
- 1994年(平成6年) - 「姑獲鳥の夏」を講談社に持ち込む。これを機にメフィスト賞が創設。
- 1994年9月(平成6年) - 『姑獲鳥の夏』が講談社ノベルスより刊行。
- 1998年9月(平成10年) - 『文庫版 姑獲鳥の夏』が講談社文庫より刊行。
- 2003年8月(平成15年) - 『愛蔵版 姑獲鳥の夏』(四六判)が講談社より刊行。
- 2005年4月(平成17年) - 『分冊文庫版 姑獲鳥の夏』上下巻が講談社文庫より刊行。
- 書籍情報
- 姑獲鳥の夏 1994年 ISBN 4061817981
- 文庫版 姑獲鳥の夏 1998年 ISBN 4062638878
- 愛蔵版 姑獲鳥の夏 2003年 ISBN 4062118270 (四六判)
- 分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 2005年 ISBN 4062750457
- 分冊文庫版 姑獲鳥の夏 下 2005年 ISBN 4062750465
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
梅雨も明けようという夏のある日、関口巽は、古くからの友人である中禅寺秋彦の家を訪ねるべく、眩暈坂を登っていた。 中禅寺は古本屋『京極堂』の主人であるが、家業は宮司であり、さらに副業として「憑物落とし」も行う。 人間の心の奥に潜む負の感情に妖怪の名前を付け、自慢の長広舌で以ってそれを言葉巧みに祓うのである。 関口は最近耳にした、久遠寺家にまつわる奇怪な噂について、そのような京極堂ならば或いは真相を解き明かすことができるのではないかと考えていた。関口は切り出す。 「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?」 京極堂は驚く様子もなく返す。 「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」 その後、妊婦の消えた夫や代々伝わる久遠寺家の「憑物筋の呪い」について、人の記憶を視ることができる超能力探偵・榎木津礼二郎や京極堂の妹である編集記者・中禅寺敦子、東京警視庁の刑事・木場修太郎らを巻き込みながら、事態は展開していく。さらに、この事件は、持ち出した関口自身の過去と深く関係していた。
[編集] 登場人物
主な登場人物については京極堂シリーズを参照。
関口 巽(せきぐち たつみ)
- 敦子から久遠寺産科医院の噂を聞かされて、取材のため、久遠寺産科医院に来る。
榎木津 礼二郎(えのきづ れいじろう)
中禅寺 敦子(ちゅうぜんじ あつこ)
- 関口巽に久遠寺産科医院の噂を聞かせる。
中禅寺 千鶴子(ちゅうぜんじちずこ)
- 中禅寺の妻。関口の妻の雪絵と仲が良い。
- 出身地は京都。
関口 雪絵(せきぐちゆきえ)
- 関口の二歳年下の妻。関口のことは二人きりの時のみ「タツさん」と呼ぶ。
- 中禅寺の妻の千鶴子と仲が良い。
安和 寅吉(やすかずとらきち)
- 『薔薇十字探偵社』の給仕兼秘書。元は榎木津家の使用人の息子。
[編集] 久遠寺産科医院・久遠寺家
久遠寺 涼子(くおんじりょうこ)
- 久遠寺家の長女。
久遠寺 梗子(くおんじきょうこ)
- 久遠寺家の次女で、牧朗の妻。涼子の妹。
久遠寺 牧朗(くおんじまきお)
- 梗子の夫で、婿養子。旧姓は藤野牧朗(ふじのまきお)。
- 関口や中禅寺の学生時代の先輩で、当時からのあだ名は藤牧(ふじまき)。
久遠寺 菊乃(くおんじきくの)
- 涼子、梗子の母親で事務長をしている。
久遠寺 嘉親(くおんじよしちか)
- 涼子、梗子の父親で院長をしている。
[編集] 使用人、看護婦、関係者
内藤(ないとう)
澤田 時蔵(さわだときぞう)
澤田 富子(さわだとみこ)
戸田 澄江(とだすみえ)
原澤 伍一(はらざわごいち)