奥都城
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奥都城(おくつき)とは、上代の墓のこと。またそこから神道式の墓のこと。神道式の墓石に刻まれる文字でもある。奥津城、奥城とも書く。
「都・津(つ)」は、上代の格助詞「つ」に当てた万葉仮名で、「~の」の意味になる。「都」は、神官・氏子などを勤めた人の墓に使われる漢字で、「津」は一般信徒の墓に使われる。ただし、先祖に神官、氏子の役に従事した人がいる場合には「都」が使われることがある。またこれとは別に、地域により、どちらかの文字が広く用いられることもあり、一概ではない。
「奥(おく)」とは、奥深い意の「奥」や「置く」を意味するといわれる。「城(き)」は、古代の「胆沢城」の「城」の用例にみるように棚・壁などで四辺を取り囲んだ一郭の場所をいい、また「柩(ひつぎ)」の意味もあるとされる。全体の意味としては、「奥深い所にあって外部から遮られた境域」ということであり、また「柩を置く場所」の意となる。
[編集] 神道墓
基本的な構成は、仏式と同じだが、神道では焼香を行わないので、香炉は必要ない。また玉串を奉げる為の八足台が必要となる。 墓石の形は、細長い角柱型で、頂上部は四角錐になっている。この形は三種の神器の一つ天叢雲剣を表しているとされる。
墓石には「○○家之奥都城」と刻む。墓石がない場合は墓標に「○○大人(刀自)命之奥都城」のように書く。神道では戒名はなく、姓名の下に、之霊・命・命霊・霊位などを付ける。
神社では通常墓地を所有していない。神式でお墓を建之する場合は公営や民営の霊園の墓地を購入する必要がある。