大マゼラン銀河
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大マゼラン銀河 (Large Magellanic Cloud) |
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星座 | かじき座、テーブルさん座 |
観測データ | |
型 | Irr-I |
赤経 (RA, α) | 05 h 23.6 m (J2000.0) |
赤緯 (Dec, δ) | -69° 45' (J2000.0) |
距離 | 16万 光年 49 kpc |
視等級 | +0.6m |
視直径 | 650' x 550' (満月の約20倍) |
物理的性質 | |
質量 (太陽=1) | 1010 |
直径 | 1.5万 光年 |
色 (B-V) | |
絶対等級 | |
特性 | |
その他の名称 |
大マゼラン雲 |
大マゼラン銀河(だいまぜらんぎんが、Large Magellanic Cloud) は、かじき座に位置する不規則銀河(棒渦巻銀河として扱われることもある)。略してLMCとも呼ぶ。小マゼラン銀河と共に銀河系の伴銀河であり、アンドロメダ銀河などとともに局部銀河群を構成する。大マゼラン雲、大マゼラン星雲と呼ぶ場合もある。
地球からおよそ16万光年(4万9千パーセク)の距離に位置し、質量は銀河系の10分の1程度、直径は銀河系の20分の1程度の矮小銀河である。形態は不規則銀河であるが、わずかに棒構造や渦巻構造の痕跡が見られる。このことから、かつては棒渦巻銀河であったものが、銀河系との相互作用によって変形を受けて現在の形状になったと考える研究者もいる。将来的には銀河系と合体すると考えられている。
大マゼラン銀河は局部銀河群の中で、アンドロメダ銀河、銀河系、さんかく座銀河M33に次ぐ4番目に大きなメンバーである。
南半球では肉眼でも、かじき座とテーブルさん座にまたがるぼんやりとした雲のように見える。「マゼラン」の名は、世界周航のマゼランが航海中に観測したというエピソードにちなんでいる。
大マゼラン銀河には、局部銀河群の銀河の中でも最も活発なスターバースト領域である有名な散光星雲のタランチュラ星雲や、1987年に出現した超新星SN 1987Aが存在する。