国際コミュニケーション英語能力テスト
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国際コミュニケーション英語能力テスト(こくさいコミュニケーション えいごのうりょくテスト、Test of English for International Communication、通称「TOEIC(トーイック)」)は、財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する、英語の技能試験である。
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[編集] 概要
受験者は聞き取り(Listening)100問と読解(Reading)100問の2部構成、計200問の試験を受け、各部門の合計点がスコアとして認定される。スコアは、素点による絶対評価ではなく、全受験生との相対的な成績によって算出され、10~990点の間(各部門 5~495点ずつ)で5点刻みで評価される。受験者数が非常に多いことから、スコアによる序列への信頼性が高い。
受験方法には、個人で受験する「公開テスト」と、企業や学校内で随時実施する「IPテスト(Institutional Program=団体特別受験制度)」の2つの方法がある。また企業のグローバル化に伴い、TOEICスコアが企業の採用や人事評価において用いられるようになっている。
60カ国で実施されている国際的な試験であるが、受験者の殆どは日本人と韓国人で占められている。アメリカ英語に基づいているため、日韓の2国とアメリカ大陸の一部の国以外では重視されていない。主にビジネスを想定した設問内容になっている。語彙や語法に関する設問には、日常生活に必要がないと思われるものもあり、一定以上の教育水準にあるネイティブスピーカーでも満点を取ることは非常に難しい。一度取得すれば終身有効の検定資格ではなく、受験の時点における本人の実力を確認するための試験なので合否判定はない。
受験者の殆どが日本人と韓国人で占められている理由として、試験の考案者が北岡靖男という日本人であることが言われている。
問題構成のリニューアルが第122回公開テスト(2006年5月実施)より行われる。主な変更点としては以下があげられる。
- 問題文の長文化
- 発音のバラエティの増加(米国発音のみ→米国・英国・カナダ・オーストラリア(ニュージーランドを含む))
- 誤文訂正問題の削除
なお、IPテストについては2007年以降新構成に移行予定。
[編集] 評価
スコアの10~990点に応じて、コミュニケーション能力のレベル(PROFICIENCY SCALEという)がA~Eの5段階で評価される。また、スコア分布も公開され、受験者中のおおよその順位を知ることもできる。
[編集] 問題構成(2006年5月からの新構成)
[編集] 聞き取り
このセクションは合計100問、制限時間は 45分間である(ただし、稀に制限時間が変わる場合がある)。米国発音のほかに・英国・カナダ・オーストラリア(ニュージーランドを含む)の発音が採用され、米国発音が75%、残りの発音が25%となる。
- Part 1 - 写真描写問題(Photographs) - 1枚の写真を見て、その写真について放送される適切な英文を選ぶ。4択式で合計10問。
- Part 2 - 応答問題(Question-Response) - 質問文が放送された後、それに対する応答文が3つ放送され、適切なものを選ぶ。合計30問。
- Part 3 - 会話問題(Short Conversations) - 2人の会話を聞いて、その会話についての質問に対し最も適当な選択肢を選ぶ。質問文と選択肢は問題用紙に記載されている。4択式で合計30問。
- Part 4 - 説明文問題(Short Talks) - ナレーションを聞いて、それについての質問に対し適切な選択肢を選ぶ。1つのナレーションにつき複数問出題される。質問と選択肢は問題用紙に記載されており、4択式で合計30問。
旧構成の Part 3、Part 4の問題文は印刷のみであったが、新構成では印刷と共にテープによる読み上げが行われる。また1つの会話・説明文に対する問題数が2~3問と不定であったものが、新構成ではそれぞれ3問に固定される。
[編集] 読解
このセクションは合計100問、制限時間は75分間である。
- Part 5 - 短文穴埋め問題(Incomplete Sentences) - 短文の一部が空欄になっていて、4つの選択肢の中から最も適切な語句を選ぶ。合計40問。
- Part 6 - 長文穴埋め問題(Text Completion) - 手紙などの長文のうち複数の箇所が空欄になっていて、それぞれ4つの選択肢から最も適切な語句を選ぶ。合計12問。
- Part 7 - 読解問題(Reading Comprehension) - 広告、手紙などの英文を読み、それについての質問に答える。読解すべき文書が一つのもの(Single passage) が28問。「手紙+タイムテーブル」など読解すべき文書が2つのもの(Double passage)が20問。それぞれ4択式。
[編集] 問題構成(2006年3月までの旧構成)
[編集] 聞き取り
このセクションは合計100問で、制限時間は約45分間である。
- Part I - 写真描写問題(One Picture) - 1枚の写真を見て、その写真について放送される適切な英文を選ぶ。4択式で合計20問。
- Part II - 応答問題(Question-Response) - 質問文が放送された後、それに対する応答文が3つ放送され、適切なものを選ぶ。合計30問。
- Part III - 会話問題(Short Conversations) - 2人の会話を聞いて、その会話についての質問に対し最も適当な選択肢を選ぶ。質問文と選択肢は問題用紙に記載されている。4択式で合計30問。
- Part IV - 説明文問題(Short Talks) - ナレーションを聞いて、それについての質問に対し適切な選択肢を選ぶ。1つのナレーションにつき複数問出題される。質問と選択肢は問題用紙に記載されており、4択式で合計20問。
[編集] 読解
このセクションは合計100問あり、制限時間は75分間である。
- Part V - 文法・語彙問題(Incomplete Sentences) - 文の一部が空欄になっていて、4つの選択肢の中から最も適切な語句を選ぶ。合計40問。
- Part VI - 誤文訂正問題(Error-Recognition) - 文中4箇所に下線が引いてあり、うち語法が誤って使われているものを1つ選択する。合計20問。
- Part VII - 読解問題(Reading Comprehension) - 広告、手紙などの英文を読み、それについての質問に答える。4択式で合計40問。
[編集] LPI
TOEICそのものは上記の通り多肢選択式の試験だが、別料金にてLPI(Language Proficiency Interview)という口述試験を別途行っている。20~25分程度の面接の中で、発音、文法、語彙、理解力などが評価される。以前は本試験で730点(Bクラス)以上を得た受験者のみ対象だったが、2005年4月1日よりこの制限はなくなった。但し、公式ページでは730点以上取得者の受験が推奨されている。
評価はFSIスケールと呼ばれる各言語共通の基準により、0、0+、1、1+、…(以後4まで。ノーマークとプラスがある)…、5の11段階でつけられる。客観性を期すため、複数の採点者によって評価される方式をとっている。評価基準は非常にハイレベルに設定されており、ネイティブでない人がレベル3以上を得ることは稀だといわれている。
[編集] TOEIC Bridge
TOEICの姉妹版として、2001年に初・中級レベルの TOEIC Bridge(トーイック・ブリッジ)が始まった。聞き取り50問、読解50問(各10~90点)でトータルスコア20~180点で評価される。長文の文章が短くなっているなど、問題の何度は従来のTOEICテストよりも下げられている。従来のTOEICは、企業での英語能力測定を主な目的として開発された。そのため、問題数も200問と多く高校生や英語の初心者が受けるには適していなかった。TOEIC Bridgeはこのような人を対象として開発された。TOEIC Bridgeの利用目的は高校生の留学選抜や英語特進クラス選抜やレベルチェック、大学の英語レベルチェック等多岐に渡る。
- 受験者の比較(2005年度 日本国内での受験者数)
- TOEIC 1,499,000人 (前年度比 +66,000人)
- TOEIC Bridge 109,200人 (前年度比 +26,000人)
[編集] TOEIC Speaking&Writing Test
2007年より東京・大阪・名古屋等の主要都市で実施。実施にいたった背景は従来の200問マークシートテストではライティング能力などやリスニング能力が測れないためにETS等が研究を重ねて従来のTOEIC/TOEIC Brifgeと別に実施する。特にプレゼンテーションや音読、E-mail作成問題や論文作成等マークシートでは図れなかった部分を測定するので4技能を試すことで今後の需要があると思う。
TOEICスピーキングテスト/ライティングテストはETSのInternet-based test(iBT)というシステムを通じて実施。ETS認定テスト会場のパソコンにインターネットを介してテスト問題が配信される。受験者はTOEICテスト(リスニング、リーディング)のようにマークシート解答用紙で解答するのではなく、パソコン上で音声を吹き込んだり文章を入力する。iBTによってさらに効率的、かつ標準化された、公平な方法で受験者の解答を記録・採点し、受験後のフィードバックを行うことが可能となっている。尚問題レベルは現在のTOEIC iBTテストの問題に似ているのが特徴。
テスト構成はスピーキングが20分、ライティングが60分で説明などを含めると90分程度。テストスコアは0点~200点で表示。