反転分布
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反転分布(はんてんぶんぷ)とは、負温度とも呼ばれる分布状態。
通常の電子の分布はフェルミ・ディラック分布に従い、より下の準位の方が電子の数が多い状態である。 しかし、特殊な条件を満たしてやることによりこの「下のほうが電子が多い」状態とは異なる状態にすることができる。フェルミ・ディラック分布における式での温度項の符号をマイナスにした状態と考えることもできるので負温度と呼ばれる。
この上のほうが電子が多い状態に光が入射すると誘導放出により入射光を増幅でき、レーザーが発振される。
2準位系の励起では、下の電子が上に励起されても誘導放出により高い準位に低い準位よりも多くの電子を入れることは不可能である。
3準位系になって初めて、上の準位のほうが多くなれる条件を作り出せる。
4準位系になるとさらに反転分布を作りやすい状態になりうる。