割 (寄席)
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寄席でいう割(わり)は一日毎の客の入りと演者の格に応じて支払われる給金。 定席の割はかつて落語家の重要な収入源であったが寄席の減少に伴う出演者数の増加などにより現在では雀の涙程度の額ともいわれている。
多くの場合、席亭が入場料から一定の歩合を控除し、残金を主任(トリ)を務める演者に渡し、それを主任が取りまとめて翌日の席で手渡す。興行最終日の分は、通常当面預りとして次回一緒の興行に参加した場合渡すが、相手の一門の者などに託す場合も有る。
入りの悪い席などでは硬貨が数枚といったこともあり、「労多くして益が少ない」という意味の「割に合わない」という言回しはここから来たという説も有る。
明治時代の噺家三遊亭左樂が格下の演者には最終日の割を渡さないとして「左樂でないに割くれぬとは(「からくれなゐにみつくくるとは」の地口)」と揶揄されたという。