僕にお月様を見せないで
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『僕にお月様を見せないで』(ぼくにおつきさまをみせないで)は、阿智太郎の小説、ライトノベル。2000年第1巻発行(メディアワークス・電撃文庫)。略称は「僕月」。
目次 |
[編集] シリーズタイトル
- 僕にお月様を見せないで1 月見うどんのバッキャロー ISBN 4840216282
- 僕にお月様を見せないで2 背中のイモムシ大行進 ISBN 4840216967
- 僕にお月様を見せないで3 あぁ 青春の撮影日記 ISBN 4840217742
- 僕にお月様を見せないで4 北極色の転校生 ISBN 4840218625
- 僕にお月様を見せないで5 思ひでぼろぼろ ISBN 4840219729
- 僕にお月様を見せないで6 アヒル探して三千里 ISBN 4840220263
- 僕にお月様を見せないで7 29番目のカッチョマン ISBN 4840221170
- 僕にお月様を見せないで8 楓とオオカミの一日 ISBN 484022157X
- 僕にお月様を見せないで9 唐子とオオカミの夜 ISBN 4840221960
- 僕にお月様を見せないで10 オオカミは月夜に笑う ISBN 4840222614
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
月のように黄色くて丸いものを見ると狼男に変身してしまう高校生、銀之助。この体質が元で何度も転校を余儀なくされていた。今度の高校は長野県の飯波高校。果たして銀之助は平穏無事に高校生活を送ることができるのか…?
[編集] 主な登場人物
- 駒犬 銀之助(こまいぬ ぎんのすけ)
- この作品の主人公。満月のようなものを見ると狼男に変身してしまう体質を持つ。いったん変身すると、気絶する、黄色くなくて丸くないものを見続ける、女性とキスをするなどの方法を実行しないと元に戻れない。また、満月を見て変身すると、凶暴な性格(通称「ワイルドウルフ」)になる。
- 七味 唐子(しちみ とうこ)
- 銀之助のクラスメイト。銀之助の変身シーンを目の当たりにするが、犬が好きだという理由で秘密にすると約束する。実家はうどん屋を経営。銀之助のことが好きみたいだが、本人は認めたくない様子。なお、うどん以外の料理は苦手で、その腕前はワイルドウルフを撃退したほど。
- 狩谷 楓(かりや かえで)
- 転校生。幼いころに狼男に両親を殺されたことから、狼男は自らの手で抹殺すると決めている少女。銀之助も最初は問答無用で殺そうとしていたが、彼の優しさに触れ、少し考えを改める。しかし危険だと判断すればためらいなく銀之助を殺すだろう。相手と握手することで、相手の性格や本質を動物にたとえる能力がある。ちなみに教師の狩谷森彦は彼女の兄。
- 駒犬 銀花(こまいぬ ぎんか)
- 銀之助の従妹で小学四年生。黄信号を見ても変身しなくなったので、街デビューをするために銀之助の家にやってくる。銀之助のことが大好きで、ライバル(?)の唐子とは時々衝突することも…両親は考古学に携わっている。
- 倉地 香(くらち かおり)
- 飯波高校の新任の美術教師。抜群の容姿とプロポーションで、男子生徒はおろか、男性教師まで幅広いファンがいる。不思議研究部の顧問。前作との関連は後述。
- 三石 小夏(みついし こなつ)
- 飯波高校不思議研究部部長兼唯一の部員の1年生。牛乳瓶の底のようなうずまきのメガネをかけている。オカルトマニアで、オカルト系統の話となると、人の迷惑を省みず、首を突っ込んでくる。彼女に目をつけられたため入院する羽目になった生徒もいる。変身した銀之助についても、最初は好奇心で追っていたが、助けられてからは、恋心も混ざってきたようだ。もちろん正体は知らない。父親は地元誌の編集長をしている。
- 駒犬 銀一郎&典代(こまいぬ ぎんいちろう&のりよ)
- 銀之助の両親。父親は動物専門誌に連載を持つ漫画家(ちなみにペンネームは「こまぎん」)。母親は主婦業のかたわら、銀一郎のアシスタントをしている。ちなみに銀一郎も変身可能で、その能力は満月を見て凶暴化した銀之助をはるかに上回る。
- 漆野 百太郎(うるしの ひゃくたろう)
- 長野県警の刑事。自称『長野県警で最も棺桶と懲戒免職に近いと噂されている男』。銀之助の秘密を知っている。文句を言ったりすると、蚊がいたと言って拳銃をぶっ放すとんでもない刑事。前作との関連は後述。
[編集] 「僕の血を吸わないで」との関連
この作品は、正確には「僕の血を吸わないで」の続編ではないが、一部に、関連性をうかがわせる箇所が存在する。
- 舞台設定
- 銀之助が転校してきた長野県の飯波高校は「僕の血を吸わないで」で森写歩朗が通っていた高校と同じである。
- キャラクター
- 美術教師の倉地香は、「僕の血を吸わないで」にも高校生として登場していた。1巻で「あれからはや、四年」と語っていることから、「僕の血を吸わないで」の4年後であることがわかる。また三石小夏は、「僕の血を吸わないで」に登場した三石秋子の妹である。その名残で、倉地は小夏のことを「プチ三石ちゃん」と呼んでいる。なお、イラストではメガネをかけていないのに「メガネの子」と言われている三石秋子の設定は、小夏に如実に受け継がれている。さらに、刑事である漆野百太郎も「僕の血を吸わないで」からの継続登場である。