人間昆虫記
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人間昆虫記(にんげんこんちゅうき)は、1970年~1971年にかけて発表された手塚治虫の中篇ピカレスク漫画。
十村十枝子というヒロインが他人の才能をコピーしながら、あるいはオリジナルを殺し、あるいはその秘密を知るものを死に追いやる、という典型的なピカレスクものである。
作中の人物名が昆虫に由来するように人間社会を昆虫の社会に模しており、ヒロインが次から次へと他人の特異な才能をコピーしては邪魔になったものを捨てていく様を脱皮に見立てた表現は、オリジナリティを欠きながらも、若年から昆虫のデッサンを残し、ペンネームを「オサムシ」から名づけた手塚らしい作品といえる。
全編を通して描かれるのは人間の善性ではなく動物性とも言うべきものであり、それぞれのキャラクターがエゴイズムから行動するものの、ヒロインの行動はどこか颯爽としていて爽快感を伴うのに対して、それ以外の人間の行動は醜悪さを滲ませているのが興味深い作品である。
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