交響曲第1番 (モーツァルト)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの交響曲第1番変ホ長調K. 16は、モーツァルトが僅か8歳のときに作曲された交響曲である。既に演奏活動においては神童として名を馳せていたモーツァルトだったが、作曲活動はまだ本格的には始められていない頃の作品である。
演奏旅行のために一家でロンドンに滞在しているときに作曲されたものといわれている。この作品にはさまざまな作曲家の影響が見られており、父のレオポルト・モーツァルトのほか、J.S.バッハの息子達、とりわけ当時のロンドンを代表するシンフォニスト、J.C.バッハの影響が大きい。
[編集] 編成
管弦楽はまだ発展途上であり、弦楽が主体となっている。
[編集] 曲の構成
3つの楽章からなり、イタリア序曲風の急 - 緩 - 急の楽章配置をとる。
- 第1楽章:Allegro molto
- 第2楽章:Andante
- 第3楽章:Presto
3楽章構成の交響曲は、モーツァルトの初期の交響曲における典型的な形式である。4楽章構成になるのはもっと後のことである。
第1楽章は変ホ長調のソナタ形式によるアレグロだが、展開部はやや小規模である。
第2楽章はハ短調の緩徐楽章である。ほとんど全体に渡って16分音符の三連符が伴奏として奏される。中間部には、E♭-F-A♭-Gという音形が登場するが、これは彼のその後の作品のいくつかに登場し、特に交響曲第41番終楽章で有名となったため『ジュピター主題』と呼ばれるが、これはこの音形が初めて登場した例となる。
第3楽章は急速で活発なフィナーレである。静かな音と大きな音、ヴァイオリンのみで演奏されるフレーズとトゥッティ、といった対比が見られる。
交響曲第1番は、全部で41番まであるモーツァルトの交響曲の中では第1曲目に当たる。このため、まだまだ大作曲家の初期の習作的な作品としての性格が強い。父レオポルトは後に、この作品には、作曲学ではあまり好まれない平行五度と呼ばれる技法が3箇所に見られると述べている。このことからも、まだまだ未熟な作品であることが伺える。