ロボジョックス
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『ロボジョックス』(英題:Robot Jox)は米国で制作された米国初の、いわゆる実写「リアルロボット」映画作品のこと。 1990年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭出品作品。
- 原題:ROBOT JOX
- 製作年:1990年
- 米国公開:1990年11月21日
- 日本公開:1990年10月日
- 上映時間:85分
- 製作:エンパイア・ピクチャーズ
- 配給:ウエストケープ提供/バンダイ
目次 |
[編集] 概要
いわゆる一般的に言うB級SF映画作品であるが、ロボットの戦闘シーンにおけるモデルアニメーション撮影の秀逸さなどからコアなファンを現在も有する作品である。本作品のストーリーと、ガンダムシリーズ「機動武闘伝Gガンダム」のストーリー設定が一部酷似しており、本作品をパロディにしたのではないかという意見もそこはかとささやかれている。一部では大規模モデルアニメーション最後の作品ともいわれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
近未来、共産連邦と、マーケット連合という二大国家が対峙する時代、国際的に国家間の戦争が全面的に禁止され、国家間の紛争などの最終的解決手段として、最新鋭の巨大ロボット兵器による一対一のデスマッチによって解決されていた。 今、アラスカの領有権を巡り、両国の誇る精鋭パイロット「ロボジョックス」による決戦の火蓋が切られようとしていた。
[編集] 登場メカ
- マツモト14号
- 日本人ロボット工学博士「マツモト博士」が設計したマーケット連合の切り札。マツモトシリーズの最新鋭機である。共産連邦にロボットの情報が幾たびも漏洩し、連敗が続いていたが、最高の機密を持って製造されたマーケット連合の最後の砦ともいうべきロボット。戦車形態、航空形態、人型形態に変形可能なオールグラウンド能力をもつ。ロケット弾、レーザー、対レーザー反射鏡など多種多様の兵装備を持つ。人体トレース型の操縦方式で操縦すため、人間の動きをダイレクトに機体に伝えることが可能。
- ボバレフスキー42号
- 共産連邦の最強ロボット兵器。マーケット連合に常にスパイを送り込み、その情報を元に常にマーケット連合ロボット兵器の弱点をついてくる装備を施している。ロケットハンド、巨大チェーンソーなどの格闘兵器が豊富である。物語後半では四脚型に改装し強化され、変形機能無しに大気圏を脱出する能力を持つに至る。操縦方式は、マツモト14号同様、人体トレース方式。
[編集] 寸評
正直なところ、初め20分、最後20分をみれば良いという作品で、そのモデルアニメーションを鑑賞するだけの作品に仕上がってるといってもよいのではないか。物語自体も大味で、何かの感動やメッセージ性があるというわけでもなく、ロボット戦闘シーン以外のパートでは、眠気を催す程の、ある意味「そんなの別にどうでもいいだろう」というような描写が目立つ。いわゆるロッキーなどの格闘映画によくある「敗北、そして自信喪失からの復活」というような物語性を求めたのであろうが、国家の命運をかけた作品の世界観とマッチしていないところの痛さが最後まで残る物であった。ラストシーンに至っては評価以前の物で、はっきりいって制作者が投げてるのではないかと思えるものでもある。更に本作品の字幕翻訳者の能力も相当に低く、こういったSF作品の経験がない人間であると容易に理解出来る翻訳であったため、本作品の質を更に低くするものとなっている。
但し、前記したモデルアニメーションは秀逸で、その巨大さや豪快さを充分に表現していることは大いに評価できる。そう考えると本制作者は、このシーンだけ観てもらえれば、あとはもう別にどうでも良かったのではないかとも思える程、アクションシーンと、それ以外のシーンにギャップがある物であった。
[編集] スタッフ
- 監督・原案:スチュアート・ゴードン
- 製作:アルバート・バンド
- 製作総指揮:チャールズ・バンド
- 脚本:ジョー・ハルデマン
- 撮影:マック・アールバーグ
- 編集:ロリ・ボール、テッド・ニコラウ
- 音楽:フレデリック・タルゴーン
- プロダクションデザイン:ジョバンニ・ナタルッチ
- 特殊効果スーパーバイザー:デイブ・アレン
- 特殊効果:ユルゲン・ヘイマン
- アニマトロニクス:マーク・ラパポート
[編集] キャスト
- ゲイリー・グラハム(アキレス)
- マリー・ジョンソン(アテナ)
- ポール・コスロ(アレクサンダー)
- ロバート・サンプソン(ジェイムソン)
- ダニー・カメコナ(マツモト博士)
- ヒラリー・メイソン(ラプレイス教授)
- マイケル・オールドレッジ(テックス・コンウェイ)
- イアン・パトリック・ウィリアムズ(フィリップ)