レバノンの地理
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レバノンの地理 の詳細
レバノンは、中東の国でありながら、砂漠がなく、豊富な水が存在する。南北に2つの山脈(レバノン山脈とアンチレバノン山脈)があり、標高2,500m~3,000m級であることから、積雪を観測する。最高峰は北部のカーネット・アッサウダー山(Qurnet as Saudā')の3,086mである。「レバノン」とは、アラビア語で「白くなる」という意味で、レバノンの山々に雪が積もっている光景を指したものだと言われる。2つの山脈の間にはベッカー高原が広がり、野菜や果樹が生産されている。高原の中心都市バールベックには、数多くのローマ遺跡が保存されていて、世界遺産にも登録され、レバノンの代表的な観光地のひとつとなっている。沿岸部は地中海性気候で温暖。このようにレバノンは、たいへん風光明媚であるため、古くから人々が居住していた。レバノン山脈にはかつてレバノン杉が鬱蒼と繁っていたが、フェニキア人の船造りのために乱伐が進み、現在は僅かに保護区に守られた範囲のみとなってしまった。レバノンの象徴でもあるレバノン杉は、国旗のデザインに描かれており、レバノンは国家を挙げて植林を進めている。また、ベッカー高原からはリタニ川が南西へと流れ、マルジャユーン(Marjayoun)附近から西へと向きを変え、ティルス(ティール:Tyr、スール:Sur)北側で地中海へと注ぐ。
首都ベイルートは、「中東のパリ」と呼ばれた美しい街で、流行の街でもある。フランスの委任統治領であったことから、フランス文化の影響が根強く、人々は水着を着て海岸で遊泳したり、レバノン内戦時、ベイルート市街戦の最中であってもファッションショーを開催していたりと解放的である。ベイルート近辺には世界第2位の鍾乳洞、ジェイタ洞窟(Jeita Grotto:長さ6,910m、高さ50m~100m)があり、内戦時には閉鎖されていたが、現在は観光で見学ができるようになった。