ラミー (企業)
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ラミー(LAMY)は1930年にカール・ヨセフ・ラミー(初代社長)によって設立された、ドイツのハイデルベルグにある筆記具メーカー。ドイツの万年筆の老舗。
1966年に2000年でも腐らないデザインをコンセプトに、ブラウン社の電気ひげそりなどのデザインを手がけたゲルト・アルト・ミュラーによって発表されたLamy 2000シリーズ(万年筆、ボールペン、シャープペンシル、4色ボールペン、ローラーボール)が有名。同製品は40年以上スタイルを変えずに販売されている。この製品が、今日のラミー社の方向性を位置づけた。つまり、機能とデザインの融合である。
先進的なスタイルを取り入れた筆記具を販売している。このスタンスはモンブランやペリカンとは対照的であると言えよう。
代表的な商品として、前述のLAMY 2000のほか、ドイツの児童の習字目的も兼ねてウォルフガング・ファビアンらのデザインによって1980年に発売された、ABS樹脂で出来ている、Safari サファリシリーズ(万年筆、ボールペン、シャープペンシル、ローラーボール、ボールペンとシャープペンシルのツインペン)が、今日でもヒット商品である。万年筆にしては比較的安価(日本の定価は税抜き3500円)な割には、インクカートリッジ・コンバーター両対応の本格的なものであるからだ。 発売当初はテラコッタオレンジとサバンナグリーンの2色(現在廃盤)。後に白(Alpin 現在廃盤)、黄色(Safari)、黒(Charcoal)、青(Sky)、赤(Hot)、灰色(Gray 現在廃盤)、スケルトン(Vista)がカラーバリエーションとして加わった。2004年にオレンジ(Flame)、2006年にロイヤルブルー(Blue+Red)の限定色万年筆が発売された。注:()内は海外での呼称。
また、サファリの上位商品といえる、AL-star アルスターはサファリを元に、素材にアルミを使用したものである。
デザイン重視の成果として、2年おきに発表される、外部有名デザイナーとのコラボレーションによる商品、Lamy dialog ラミーダイアログがあげられるだろう。第一作目(ダイアログ1)はリチャード・サッパーとの共作によるボールペンである。第二作目(ダイアログ2)はナッド・ホルシャーによるローラーボールである。
外部デザイナーとの共同作業は常に行われており、ハンネス・ヴェットシュタインによる、Lamy scribble スクリブルシリーズ(シャープペンシル、芯ホルダー、ボールペン)、LAMY社作品では最新作のうちに入るLamy studio ステュディオシリーズ(万年筆、ローラーボール、ボールペン)や、フェニックス・デザインによる、グリップが交換できる斬新なデザインのLamy accent アクセントシリーズ(万年筆、ボールペン、ローラーボール、シャープペンシル)があるが、アクセントは現在日本では販売されていない。このアクセントのデザインを採用したLamy 4 pen フォーペン(3色ボールペン+シャープペンシル)が現在発売されている。
先に述べたダイアログシリーズの他にデザイナーの名前を前面に出したものとしては、イタリア人デザイナーマリオ・ベリーニによるLamy persona ペルソナシリーズ(万年筆、ボールペン、ローラーボール)があげられよう。このペルソナは、LAMY社製品の中では最高級のものであった(現在廃盤)。
LAMY社製品の細部にまでわたるこだわりは随所に見られ、LAMY 2000シリーズでは、ボディのつなぎ目が一見してわからないようになっており、またクリップは発売当時は斬新であったステンレス無垢材を使用。サファリ万年筆ではインクの残量確認窓が、インクカートリッジを充填した時に、楕円形に見えるように工夫されている。Lamy swift スイフト(ノック式ローラーボール)では、ノックして芯を出した時、クリップが本体に格納されると同時にころがり防止の突起が現われ、芯が出たままポケットなどにさせないようになっている。
過去の日本における正規代理店
- ラミージャパン株式会社
- ワコー・コーポレーション株式会社
2006年現在の日本の正規代理店は、日本シイベルヘグナー株式会社
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献
- 「ラミーのすべて」製作プロジェクト編 『ラミーのすべて デザインプロダクトとしての筆記具』 ISBN 4-86212-026-1 (株)ロコモーションパブリッシング 2005年
- 石川光則「ラミーにくびったけ!」(『机上空間』エイムック979;pp.8-19) ISBN 4-7779-0265-X 枻出版社 2005年