ヨンギー・パクパーン
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ヨンギー・パクパーン(Younghi Pagh-Paan、漢字表記は朴泳姫)は大韓民国の現代音楽の作曲家。1945年生まれ。ソウル出身。パーンは琵琶の称号「琶庵」を表す。
[編集] 略歴
1960年代までは、現代音楽に関する書物は日本語のものしかなく、まず日本語を覚えることから始まったという。やがてドイツへ留学し、フライブルク音楽大学でクラウス・フーバーなどに師事。現在はフーバーの妻となり、イタリアとドイツを往復している。第五回ボスヴィル現代音楽フォーラム第一位、ユネスコ国際作曲家会議第一位などのいくつかの受賞歴があるが、ハイデルベルク賞をアジア人ではじめて受賞したことが大きい。武生国際作曲ワークショップにも2001年と2003年の2度招待されている。
[編集] 作風
旋法的な音組織も使われているが、その実態は韓国版フライブルク楽派であり、素材を丁寧に変容させて豊かな世界を築きあげるのが特徴。ドイツ語圏で活躍する割に、音色的な晦渋さは見出せない。初期にはプロポーショナル・ノーテーションやポリ・テンポなどの複雑な様相が残っていたが、現在は完全に確定記譜の中に収まっている。寡作だが、その分一つ一つの作品への集中力は高い。
なかでも6人の奏者の為の「泉」は音空間が徐々に広がってゆく楽しみが耳で聞き取れるくらいに平明であり、現代音楽の持つ難解さをできるだけ払拭する努力が認められる。最小限の道具で、できる限り慎ましくなおかつ強くといった態度が、ドイツで認められた。この傾向は、パクパーン本人の弟子の言語の前衛性を束縛しているとも伝えられる。
現在では教職活動が主であり、モンゴルへの出張やアトリエ・ノイエ・ムジークなどの活動も盛んであるが、パクパーンの弟子で名実共に輝く若手は残念ながらいない。