ペイロード
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ペイロード(Payload)は貨物の有効積載量のことであるが、転じて次のように用いられる。
1. 宇宙開発分野
- 人工衛星打上げロケットの打上げ対象となる人工衛星、探査機のこと。あるいはそれらの質量を表す。例えば、H-IIAロケット5号機のペイロードは2機の情報収集衛星(IGS-1AおよびIGS-1B)である。
- なお、最近の大型ロケットでは、打上げ費用を抑えるため、複数の人工衛星を同時に打ち上げることが多い。H-IIAをはじめ、アリアン5、デルタIVなど、複数衛星打ち上げのためのペイロード搭載構造に工夫を凝らして開発されている。
- スペースシャトルの胴体には実験施設や衛星などを搭載できる区画があり、これはペイロードベイ(またはカーゴベイ)と呼ばれる。
- また、打ち上げ能力の余裕を生かしてピギーバックペイロードという、より小型の副ペイロードを複数同時に打ち上げる場合がある。H-IIA 4号機は主ペイロードの環境観測技術衛星(ADEOS-II)「みどりII号」のほか、ピギーバックペイロードとして、FedSAT(豪州小型衛星)、WEOS(鯨生態観測衛星)、μ-LabSat(マイクロラブサット)の3機を所定の軌道に運んだ。他にもアマチュア衛星は通常ピギーバック衛星として打ち上げられることで知られ、日本で製作されたアマチュア衛星3機もH-IロケットおよびH-IIロケットでピギーバックとして打ち上げられた。
2. 航空分野
- 航空機に搭載できる旅客あるいは貨物の積載量をいう。
3. 軍事分野
- ミサイルの弾頭部分をいう。
4. データ通信分野