ブラジリアン柔術
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ブラジリアン柔術(Brazilian Jiu-Jitsu)とは、ブラジルに移民した日本人柔道家・前田光世が自らのプロレスラーなどとの戦いから修得した技術や柔道の技術をカーロス・グレイシー(Carlos Gracie)(後グレイシー柔術)などに伝え、彼らが改良し、現地の人々に広まったもの。技法の多くが柔道と共通しているので相互の乗り入れが容易なため、多くの柔道家の関心を集めている。なお、日本で言う伝統的な柔術(古流柔術)とは違い、競技を熱心に行っている。 近年の格闘技ブームと、全くの素人からでも始められ強くなれる敷居の(良い意味での)低さ、 柔道と比較すると適度な境目と難易度の帯昇格制度、その結果の競技人口の急速な広まりにより、知名度は古流柔術をはるかにしのいでいる。現在では「柔術」というと古流柔術ではなく、ブラジリアン柔術を指すケースがほとんどである。
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[編集] アルティメット大会
- 1993年11月12日、グレイシー柔術のエリオ・グレイシー(カーロス・グレイシーの弟)の息子ホイス・グレイシーが、第1回UFC(反則攻撃が目潰し、噛み付き、金的の3点のみの過激な格闘技大会)で参加選手中最軽量だったにも関わらず優勝し、一躍ブラジリアン柔術が脚光を浴びる。結果、全米中の格闘技の道場やジムでブラジリアン柔術が普及し始める。
しかし、次第に総合格闘技での戦い方が他の格闘技に研究されてくると、次第にその座をレスラーの体力に取って代わられるようになった。加えて、道場の数が普及した事により今までの最強神話やカリスマ的な魅力が薄れ始めた。 一方で、競技柔道の制約に満足しない柔道家たちの関心を集め、ブラジリアン柔術の寝技技法が積極的に柔道に取り込まれつつある。
[編集] 競技形式
[編集] 規則
- 打撃禁止
- 道着の袖の余り幅は6.8cm以上あること
- 急所攻撃禁止
[編集] ポイント
- テイクダウン(2点) - (立ち技)立っている相手を倒し、寝技に持ち込むこと。
- リバーサル(2点) - (寝技)下の選手が上の選手をひっくり返し、自分が上になること。
- ニー・イン・ザ・ベリー(2点) - (寝技)相手のへそに自分の膝を当てた体勢になること。
- パスガード(3点) - (寝技)ガードポジションを脱すること。
- マウント(4点) - (寝技)マウントポジション(馬乗り)の体勢になること。
- バックマウント(4点) - (寝技)バックマウントポジション(後ろからの馬乗り)の体勢になること。
- 絞め技、または関節技を極めた時(一本)
[編集] 試合時間
アダルトクラス(18歳~29歳) マスタークラス(30歳~35歳) シニアクラス以上(36歳~)
- 白帯(5分) *白帯(5分) すべての帯は、5分
- 青帯(6分) *青帯(5分)
- 紫帯(7分) *紫帯(6分)
- 茶帯(8分) *茶帯(6分)
- 黒帯(10分) *黒帯(6分)
[編集] 階級
- ガロ級(55kg未満)
- プルーマ級(61kg未満)
- ぺナ級(67kg未満)
- レーヴィ級(73kg未満)
- メジオ級(79kg未満)
- メイオペサード級(85kg未満)
- ぺサード級(91kg未満)
- スペルペサード級(97kg未満)
- ペサディシモ級(97kg以上)
- アブソリュート級(無差別)
[編集] 大会・選手権
コパ・パラエストラ、GIアマチュアオープントーナメント、デラヒーバカップ、COPA DUMAU KIMONOS、全日本選手権、レグナムJAM、コパ・トウホク、コパ・インファイト、カンペオナート・ジャポネーズ、~JAM、コパ・ストライプル、COPA AXIS、白帯カーニバル、キング・オブ・パラエストラ、全日本ブラジリアン柔術新人戦トーナメント、何気杯、コパ・ダ・アミザデ、CJCT など。日本国外でも様々な柔術の大会が開催されている。
[編集] 全日本選手権
全日本選手権は1つ存在する。日本ブラジリアン柔術連盟(BJJFJ)が開催しているものである。 もう1つは、カンペオナート・ジャポネーズ・デ・ジュウジュツ・アベルト (全日本オープン選手権) である。これはパラエストラが主催している。
また、2006年の秋には東京近辺でアジア選手権の開催が予定されている。
[編集] 世界選手権
ブラジリアン柔術の世界選手権は3つある。一つは「ブラジリアン柔術世界選手権 ムンジアル」、もう一つは「コパドムンド ブラジリアン柔術ワールドカップ」、そしてIGJJF主催の「IGJJFオープン・チャンピオンシップ」である。
- ブラジリアン柔術世界選手権 ムンジアル
- 国際ブラジリアン柔術連盟(CBJJ)が主催する大会。
- コパドムンド ブラジリアン柔術ワールドカップ
- ブラジリアン柔術オリンピック連盟(CBJJO)が主催する大会。CBJJ主催のムンジアルに反発した団体(ノヴァ・ウニオン他)が始めた。選手の参加費を格段に安くし、優勝者には賞金が出る制度を初めて行い始めた。正式にはポルトガル語で、コパ・ド・ムンド・デ・ジウジツ・オリンピコと言う。
- IGJJFオープン・チャンピオンシップ
- 国際グレイシー柔術連盟(IGJJF)が主催する大会。2003年から始まった。ムンジアルやコパドムンドと違い、競技スポーツではなく護身としての柔術を標榜している為、上記2つの大会とは試合ルールが異なる。まずスラム(バスター)が紫帯の部以上のカテゴリーで認められている(スラムとは相手を持ち上げて地面に叩き付ける技)。また試合時間が最大で30分と大幅に長い。加えて、寝技で膠着状態になると強制的にスタンド状態に戻され、コイントスで上下のポジションが決定される。
[編集] 帯制度
帯の色は日本の柔道や空手のように実力によって分けられており、白帯、青帯、紫帯、茶帯そして黒帯の順に高くなっていく。基本的には試合や大会での実績や実力に応じて道場主が授与する場合が多かったが、最近では黒帯の乱発を防ぐために試験制度を導入している。 国際ブラジリアン柔術連盟(CBJJ)によると、黒帯に昇格してから31年たった者に赤帯を授けている。
[編集] 流派
- グレイシー柔術
- マチャド柔術
- ノヴァ・ウニオン柔術
- バルボーザ柔術
[編集] 関連記事
[編集] 外部リンク
- 日本ブラジリアン柔術連盟
- 国際ブラジリアン柔術連盟 (CBJJ)
- ブラジリアン柔術オリンピック連盟 (CBJJO)
- 国際グレイシー柔術連盟(IGJJF)
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