ブラギ
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ブラギは北欧神話に登場する詩吟の神。ブラギの舌にはイドゥンによってルーンが刻まれているとも言われる。
スノッリ・ストゥルルソンは『ギュルヴィたぶらかし』においてオーディン、トール、バルドルについでこのブラギについて語っている。
「ブラギはその知恵と流暢な会話と言語の技巧とを知られている。彼は多くのスカルド詩を知り、後に詩は彼の名を取ってブラグ(bragr)と呼ばれ、他者より卓越した雄弁を有する男性、もしくは女性は「ブラグの男、女」(詩人、女詩人)と呼ばれる。彼の妻はイドゥンである」
さらに『詩語法』でスノッリはこう書いている。
「ブラギをどのように呼ぶべきか、イドゥンの夫、最初の詩人、長い顎髭の神、顎髭のブラギ、オーディンの息子と呼ぶ」
『ロキの口論』においては、エーギルの従者を殺して追い出されたロキが舞い戻ってきた際に、ブラギは神々がロキに与える席はないと言うが、ロキはオーディンに「私とお前は血を混ぜて、ビールを味わうときは二人一緒だと誓ったではないか」と迫ったので、オーディンはヴィザルに、狼(フェンリル))の父であるロキの席を用意させる。
そして「アース神族とすべての神々に幸あれ、ただ一人あそこに控えるブラギを除いては」と言ったロキに対してブラギは寛大に馬と剣とリングを示して、神々を怒らせたり、逆らおうとするべきではないと諭すが、ロキは神々と妖精の中でブラギはもっとも臆病な男だと馬鹿にしたので、ブラギは「ここが広間の外であればロキに罰を与えてその首を手に提げていることだろう」と言い、ロキがならば外にでて戦おうと挑発するので、ブラギの妻であるイドゥンがブラギに対してオーディンの養子と争わぬように、ロキは口を慎むように諫めるというくだりが存在する。
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