ヒサカキ
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ヒサカキ(Eurya japonica Thunb.)は、ツバキ科ヒサカキ属の常緑小高木である。
普通は樹高が4~7m程度になる。葉はやや倒卵状楕円形で、丸い鋸歯がある。葉は厚みがある革質で、表面はつやが強い。枝は横向きに出て、葉が左右交互にでて、平面を作る傾向がある。
花期は3~4月、枝の下側に短くぶら下がるように咲く。花は白っぽいクリーム色で壺状。果期は10~12月。
本州,四国,九州,沖縄に分布する。照葉樹林の低木層にでるが、直射光にも強く、伐採時などにもよく残る。また、栽培されていることも多い。
ビシャコ、ビシャ、ヘンダラなど別名が実に多い。
仏壇へのお供えや玉串などとして、宗教的な利用が多い。これは、一説には本来はサカキを使っていたものの代替であるといわれる。名前も榊でないから非榊であるとか、一回り小さいので姫榊がなまったとかの説がある。
ヒサカキ属にはこのほかに日本に8種(変種を含む)が知られる。多くは南方離島産のものであるが、ハマヒサカキ(Eurya emarginata (Thunb.) Makino )は海岸林に普通な小高木で、潮風や乾燥に強いことから街路樹として用いられることがある。