パルミラ遺跡
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パルミラ遺跡 (シリア) |
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四面門 | |
(英名) | Site of Palmyra |
(仏名) | Site de Palmyre |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | 文化遺産(i) (ii) (iv) |
登録年 | 1980年 |
拡張年 | |
備考 | |
公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
地図 | |
パルミラ遺跡(-いせき)は、シリアの中央部のTadmor(تدمر)にあるローマ帝国支配時の都市遺跡。シリアを代表する遺跡の1つでもある。1980年、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。
目次 |
[編集] 概要
シリアの首都ダマスカスの北東、約200kmの砂漠の中にある。パルミラの由来は、ギリシャ語の「パルマ」(ナツメヤシ)であるといわれている。
ローマ様式の建造物が多数残っている。ローマ式の円形劇場や、公共浴場、四面門が代表的。
[編集] 歴史
パルミラ近くからは、約70000年前の旧石器時代の石器が発見されている。メソポタミアで発掘された石版からもこの都市の名前と思われる記述がある。
紀元前1世紀から3世紀までは、シルクロードの中継都市として発展。交易の関税により都市国家として繁栄。ローマの属州となったこともある。しかし、2世紀にペトラがローマに吸収されると、通商権を引き継ぎ絶頂期に至った。270年ごろに君臨したゼノビア女王時代には、エジプトの一部も支配下に置いていた。しかし、ローマ皇帝のアウレリアヌスは、パルミラの独立を恐れ攻撃を開始。272年に、パルミラは陥落し廃墟と化した。
[編集] 主な建築物
- ベル神殿(Temple of Bel)
- ディオクティアヌス城砦(Camp of Diocletian)
- 円形劇場
- 公共浴場
[編集] 登録基準
この世界遺産は、世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
- (i) 人類の創造的天才の傑作を表現するもの。
- (ii) ある期間を通じて、または、ある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、町並み計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iv) 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例。