ニューモシスチス肺炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニューモシスチス肺炎 (Pneumocystis pneumonia; PCP) は、酵母様真菌であるニューモシスチス・ジロベチ (Pneumocystis jiroveci) によって引き起こされる肺炎。正常な免疫能力を持つ場合発症することは希であり、化学療法やステロイド長期内服、AIDS(後天性免疫不全症候群)などによる免疫低下時に発症する、日和見感染症の一つである。以前はニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii) による肺炎とされ、「カリニ肺炎」と呼ばれた。しかし、犬から見つかったニューモシスチス・カリニ(「カリニ」は「犬の」という意味)と、ヒトで肺炎をおこすニューモシスチスは異なる種類であることが判明し、ヒトに病原性をもつニューモシスチスは Pneumocystis jiroveci に命名し直され、これによる肺炎はニューモシスチス肺炎に名称変更された。なお略号はニューモシスチス・カリニ肺炎の時の略号のまま、PCPを用いる(Pneumocystis cariniii pneumoniaの略からPneumocystis pneumoniaの略となった)。 またニューモシスチスは以前原虫に分類されていたが、遺伝子解析の結果、真菌の一種(半子嚢菌あるいは古生子嚢菌)であると判明した。
ニューモシスチス・ジロベチはほとんどの人が保菌しているが、免疫力が低下すると増殖が抑制できなくなり肺炎を引き起こす。AIDS発症において最も多い日和見感染症であり、治療をしないと致死的である。
医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。 |
[編集] 徴候
乾性咳嗽(痰を伴わない咳)、発熱、呼吸困難(息苦しさ)
[編集] 検査・診断
[編集] 治療・処置
ST合剤(バクタ®)を服用。ペンタミジン(ベナンバックス®)吸入・点滴。その他。 またAIDS患者では予後良好だが、それ以外の患者では予後不良。 AIDSの有無にかかわらず予防投薬は有効とされる。
カテゴリ: 医学関連のスタブ項目 | 呼吸器疾患 | 感染症