ド・ブロイ波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ド・ブロイ波(de Broglie wave、ド・ブローイ波、物質波ともいう)は、1924年、ルイ・ド・ブロイが提唱した粒子性と波動性を結びつける考え方。
質量m の粒子が速さv (運動量、、h はプランク定数、k は波数)で運動する場合、以下の式で示される波長λ に相当する波であると見なせる。この波長λ をド・ブロイ波長という。
- (n = 1, 2, 3, ...)
が導かれる。
100V程度の電圧で加速した時の電子のド・ブロイ波長は、約1ÅでX線の波長に近く、電子線を結晶に当てて干渉縞などを観測することによってド・ブロイ波の存在は確認される。1927年にニッケルの単結晶でダヴィソンらが、同じ年 G.P. トムソンも金属多結晶による 電子線の回折・干渉現象を見つけた。また1928年には日本の菊池正士 も雲母の薄膜による電子線の干渉現象を観察している。
波としての性質が実際に観測されるのは、電子線のような極めて微視的な状況下であり、通常の日常生活(巨視的な状況)でこれが問題となることは、ごく例外的な状況(例:超流動)を除いて無い。