ドリーム・トレイン・インターネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社ドリーム・トレイン・インターネットは、日本の電気通信事業者の一つである。東京電力の傘下企業。略称はDTI。
設立当初は三菱電機傘下だったが、2003年1月29日に東京電力の子会社である東京通信ネットワーク(TTNet、のちのパワードコム)の子会社(東京電力の孫会社)に。さらにパワードコムとKDDIが2006年1月1日に合併するのに伴い、2005年12月31日付けでパワードコム所有の全株式が東京電力に譲渡され、東京電力の直接の子会社になっている。
インターネット接続サービス(個人向け『DTI』ブランド、法人向け)を主に手がける。また、アクセスポイント方式のVoIPによる中継電話サービス「スーパーテレフォン」も手がける。
2004年7月1日にパワードコムより移管されたインターネット接続サービスの『POINT』ブランドは、2005年10月1日に「DTI」ブランドへ統合されている。
目次 |
[編集] 会社概要
- 商号 株式会社ドリーム・トレイン・インターネット
- 本社所在地 東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー16階
- 設立 1995年10月26日
- 事業内容
- インターネット接続サービス
- インターネットサーバレンタルサービス
- インターネットサーバ環境提供サービス
- インターネット関連サポートサービス
- インターネットに関する企画・開発・コンサルティングサービス
- インターネット関連機器及びソフトウェアの販売、各種情報提供サービス
- 資本金 12億5755万円
- 株主 東京電力株式会社(96.19%)
[編集] 特徴
会社設立が1995年、サービス提供開始が1996年と、国内のISP事業者としては後発組に属し、三菱グループとしてはISP事業への参入に出遅れた感が強かった。このような背景もあり、三菱電機情報ネットワーク(三菱電機の通信子会社)は、独自性の強い事業戦略でのISP事業への参入を模索。事業立ち上げのパートナーとして、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに通う学生らが設立した株式会社リセットを選択した。実質的な事業戦略の舵取りは、リセットの代表取締役社長だった石田宏樹(現:フリービット株式会社代表取締役 兼 CEO)が担っていた。同氏はISP事業者としてのDTIの急成長とブランド育成に多大な貢献を果たしたことで知られ、インターネット業界における学生ベンチャービジネスの先駆けであったと言える。
1990年代のDTIの事業戦略の主軸は、インターネット接続回線の徹底した品質管理と、強力なユーザーサポートであった。ダイヤルアップ接続が主流であった当時は、アクセスポイントの呼損率(話中となる確率)はユーザーのストレスに直結する要因であったが、加入者数とアクセスポイントの利用率を徹底的に管理することにより、呼損率を限りなく0にする戦略を採用。呼損率の上昇が予想される場合は、アクセスポイントの増強を行うまで、該当エリアでの新規ユーザーの加入受付を中止する、といった品質管理の徹底ぶりは、パワーユーザーからの強い支持を受けた。回線品質の高さでは、ISP事業最古参のIIJに並ぶ評価を得た時期もある。
ユーザーサポートの品質の高さにも定評があり、数々のインターネット系雑誌の顧客満足度調査において、首位・上位にランキングされている。また、そのノウハウを元に、コールセンター部門を分離独立させ、株式会社スーパーホットラインズを設立。同社は、DTIを含む様々なISP事業者のユーザーサポート事業を受託している。
2000年、リセットとの提携を解除。石田宏樹がフリービット株式会社を設立し、新しいビジネスモデルでのISP事業の運営に注力することとなったためである。この際、DTIの設立に携わった中核メンバーの多くが離職し、事業戦略に少なからず変化をもたらしたとされる。
2000年代に入ってからは、ユーザー獲得による規模拡大路線に傾倒。テレビCMや、ブランド提携による新規顧客の取り込みに積極的となった。常時接続のADSLの普及の時期とも重なり、アクセスポイントの品質管理のアドバンテージは薄れているが、ブロードバンドでの広帯域通信パフォーマンスの高さは、依然として好評である。
[編集] 沿革
- 1995年10月 三菱電機情報ネットワーク株式会社の子会社として設立。
- 1999年12月 三菱電機株式会社の直接の子会社になる。
- 2000年9月 大阪証券取引所のナスダック・ジャパン(現・ヘラクレス)に上場。
- 2003年1月 株式公開買い付けにより、東京通信ネットワーク株式会社の直接の子会社になる。
- 2003年11月 ヘラクレス市場上場廃止。
- 2004年7月 株式会社パワードコムの会社分割により、個人向けインターネット接続事業(ISP事業)「Powered Internet(POINT)」を吸収。
- 2005年10月 個人向けインターネット接続サービスDTIとPOINTの2つのサービスをDTIに統合。
- 2005年12月 パワードコム所有の全株式が東京電力に譲渡され、東京電力の直接の子会社になる。
[編集] 関連会社
- 東京電力
- スーパーホットラインズ