トヨタ・1600GT
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1600GTは、トヨタ自動車が生産していたハードトップ型乗用車である。
[編集] 歴史
1967年8月登場。同年5月に登場したトヨタ・2000GTの弟分というイメージ上の位置付けだった。ボディは、3代目コロナ2ドアハードトップのものを流用していたが、フロントフェンダーにエアアウトレットが追加され、リアクォーターピラーにはトヨタ・2000GTに似た逆三角形の七宝焼きエンブレムが付けられスタイル上のアクセントとなっていた。ボディカラーも、コロナには見られなかった鮮やかな黄色をテーマカラーとしていた。
目玉となるエンジンは、1.6リッターDOHC(気筒当たり2バルブ)の『9R』型(JISグロス値最高出力:115馬力)を搭載、4速マニュアルミッション車の『GT4』と5速の『GT5』が用意されていた。尚、フロントシートと『GT5』のミッションは兄貴分のトヨタ・2000GTを流用している。
しかし、わずか13ヶ月で生産が中止されマークIIの高性能仕様『1900GSS』に(系譜上)取って代わられた。
国内レースでは、プロトタイプであるトヨタ・RTXの時より活躍しており、第5回日本グランプリ(1968年)では王者であったスカイライン・2000GTBを打ち破りツーリングカーレースの王者となったが、翌年に開催されたJAFグランプリでは初参戦のスカイライン・2000GTRを抑えて1位となったが、走路妨害の判定をされて3位となってしまう。ここで特筆すべき点は既にこの時点でトヨタ1600GTは生産が中止されており、対するスカイライン・2000GTRは発売されたばかりの車両であるという事である。このレース以降、ワークスとしての出場が無くなっていった。