デシケーター
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デシケーターとは、湿気を嫌う物を乾燥状態において保管するために用いる容器。防湿庫。
[編集] デシケーターの用途
デシケーターの用途には主に以下のような場合にもちいられる。
- 除湿・乾燥を目的とする場合。
外気と遮断し、乾燥状態を維持したい場合用いる。乾燥剤はシリカゲルが一般的であるが、更に高度な乾燥を必要とする場合、濃硫酸、五酸価リンなども用いられる。
- 加湿を目的とする場合。
- 一定の湿度を保つ性質を持つ加湿剤を入れることで、器内の湿度を一定にする。水分平衡を求められる試料などの場合に用いる。
[編集] 写真用レンズなど光学製品
写真用レンズなどの光学製品は、カビが生える事による性能劣化が顕著であるため、デシケーターでの保管が原則となる。少量の場合には、食品用密閉容器などにカメラ用品店で売られている防カビ用除湿剤などを入れて保管するが、量が多い場合には、やはりカメラ用品店などで売られているカメラ用の防湿庫を用いる。ただし、レンズに生えるカビの中には乾燥条件下でも繁殖できるカビもあるため万全とはいえない。
[編集] いろいろなデシケーター
- 乾燥剤タイプ
- 密閉できる容器に、保管したいものとシリカゲルなどの乾燥剤をいっしょにしまっておくタイプ。比較的小容量ですむ場合は最も簡単。保存が長期にわたる場合には、定期的に乾燥剤を交換する必要がある。容器に仕切りを設け、仕切りの底部に吸湿性の高い薬剤(濃硫酸等)を満たして乾燥するタイプは、化学の分野で古くから使われている。
- 除湿機タイプ
- 密閉できる容器に除湿機を取り付けたもの。比較的大容量が必要でそれほど厳密に除湿する必要がない用途に向く。電源の供給が必要。
- ガス置換タイプ
- 窒素ガスなどの不活性ガスによって空気を置換するタイプ。湿度を特に嫌うものや、酸素も同時にシャットアウトしたい場合に向く。比較的小容量な物が多い。一般に電源は必要ないが、ガスボンベ等が必要。
- 真空タイプ
- 容器の中の空気を抜いて真空にしてしまうタイプ。湿度とともに酸素も取り除きたい場合などに有効。除湿の性能は容器の密閉度と使う真空ポンプによる。ガス置換タイプに対して大掛かりなわりに、除湿の性能は低い場合が多いが、適当な不活性ガスがない場合などにはこの方法をとる。当然ながら真空ポンプを動かすための動力が必要。通常は、保管しているあいだは真空を引き続ける必要がある。ただし、低真空でも良い場合には、一旦真空を引いてから栓を締めるというような運用でよい場合もある。保管したいものが気圧の変動に対して安定である必要があり、蒸発しやすいものなどの場合には使えない。
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