タクテクス
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タクテクスはホビージャパンが発行していたウォー・シミュレーションゲーム専門誌。 基本的にアナログゲームとしてのウォー・シミュレーションゲームを扱う雑誌であった。日本初の商業のウォー・シミュレーションゲーム専門雑誌でもある。
1982年3月創刊。初期は隔月刊誌として刊行されていたが1985年9月の24号に月刊化。1990年3月に月刊誌としては休刊(通巻77号)。 1990年8月からは『季刊タクテクス』としてリニューアル新装刊されたが、1992年2月に休刊した(通巻7号)。
タクテクス創刊以前から模型雑誌である月刊ホビージャパンではミニチュアゲームとしてのウォー・シミュレーションゲームが取り出されたことがあったように、ウォー・シミュレーションゲーマーと当時の模型ファンは「戦争の状況を扱う」という意味で同系統の趣味を持つ者達が多かった。 その流れもありホビージャパンは海外ゲームの輸入販売を開始。そして、ゲームサポートを行うための雑誌としてタクテクスが創刊されたのである。 ホビージャパンはアバロンヒル社などの翻訳ゲームも発売していたが、それ以上に外国語のゲームをそのまま輸入販売していたメーカーでもある。そのため、無数にある未訳ゲームの翻訳ルールを掲載する場としてサポート雑誌が必要だったといえる。
タクテクスの雑誌構成としては、ゲームの紹介記事や攻略記事、戦史解説、未訳ゲームのルール翻訳、そして付録ゲームがつくところなど、ウォー・シミュレーションゲーム雑誌としてはスタンダードな構成である。
付録ゲームはアバロンヒル社やSPI社の翻訳ゲームがつくことが多く、安価で手に入れられることから当時の学生ゲーマーの福音となっていた(月刊化した後のタクテクスの価格は付録つきで800円)。また、ホビージャパンが製作するオリジナルのゲームがつくこともあり、それらの中には現在でも名作として語り継がれているものも存在する。
1980年代後半からはカードゲーム、マルチゲーム、テーブルトークRPGなどの記事も増えはじめ、特にテーブルトークRPGについては大きく取り扱うようになり1987年8月に発売された46号(1987年9月号)からは奇数月の号はテーブルトークRPGのみを扱い、偶数月の号はウォー・シミュレーションゲームのみを扱うという変則的な出版形態を取るようになる。 また、それとは別個にタクテクス別冊としてRPGマガジンが二冊出されている。後にこの別冊が独立して月刊化された(それと同時にタクテクスは季刊化した)
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[編集] 付録ゲーム
17号から23号を除いて、各種ゲームが付録についていた。
[編集] 平綴じ時代のゲーム
本誌記事の一環で基本的にモノクロ。ボードゲームの場合、マップはコピーして使用、ユニットもコピーして厚紙に貼って切るという自作が必要だった。それでもこの時代にはよくプレイされた。
- 3号-ドンキーコマンド(テーブルトークRPGの紹介に併せて掲載された、ソロプレイのダンジョン探検型ゲーム。オリジナル)
- 4号-ブノット・ヤコブ橋(第四次中東戦争のミニゲーム。オリジナル)
- 7号-ドイツの経済戦争(ドイッチュラント・ウンターゲルト)(第二次欧州大戦を見開き2pのマップで再現する。オリジナル。高梨俊一デザイン。後にゲーム・ジャーナルで復刻された)
[編集] 中綴じ時代の付録ゲーム
ボードゲームの付録の場合、マップは綴じ込みでカラーのものが用意された。ユニット(カラー)は厚紙を貼って切るなどの自作が必要だったが、厚紙で型抜きされた(ボックス製品と変わらないコンポーネント)ユニットも別売りされていた。
- 24号-Battle for Germany(SPIの絶版ゲームを復刻)
- 25号-Napoleon at Waterloo(SPIの絶版ゲームを復刻)
- 26号-Wreck of the B.S.M. Pandora(SPIの絶版ゲームを復刻)
- 27号-World War I(SPIの絶版ゲームを復刻)
- 28号-Titan Strike(SPIの絶版ゲームを復刻)
- 29号-King Arthur(SPIの絶版ゲームを復刻)
- 41号-Jena-Auerstadt(TSR/SPIの絶版ゲームを復刻)
- 47号-TO THE FAR SEAS -はるかな海へ-(オリジナル)
- 48、50、52号-ラビッツ&ラッツ(オリジナルTRPG。デザイン:門倉直人+有坂純。PCは動物となり、『ウォーターシップダウンのうさぎたち』や『ガンバの冒険』のような冒険をする。現在著作者の許可をとり、ネットに公開されている)