セキレイ (漫画)

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『セキレイ』は、極楽院櫻子による漫画作品。

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目次 1 概要 2 あらすじ 3 登場人物 3.1 皆人とそのセキレイ 3.1.1 皆人の家族 3.2 出雲荘の住人 3.3 M・B・I 3.4 その他 4 用語 5 セキレイナンバー 6 備考・その他 7 単行本 8 外部リンク

[編集] 概要

ガンガンYGに第壱～第参話が掲載。その後、2004年よりヤングガンガンで第1話から改めて連載中の美少女恋愛浪漫活劇。 「構想2年、丸々ボツを食らいながらも勢いだけで完成にこぎつけました。ギャルゲーをプレイするような感じで読んでください」とは作者の弁。

なお現在のところ極楽院櫻子は一般誌で描く時のペンネームであり、ボーイズラブ系の作品を出す時はさくらあしかと名乗っている。

[編集] あらすじ

2020年、新東帝都に聳え立つ超巨大企業M・B・Iのビル頂上で、一人の男が高らかに鶺鴒計画の発動を宣言した。放たれた108羽のセキレイは、葦牙と共に最後の生き残りを掛けて闘い合うのだ、と……。
主人公・佐橋皆人は2浪決定の日、謎の美少女・結と出会う。この出会いが、平凡でさえない男・皆人の運命を大きく変えていくことになる……。

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注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

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[編集] 登場人物

[編集] 皆人とそのセキレイ

佐橋皆人（さはし みなと）

本作の主人公で19歳。都会に憧れて和歌山の実家から上京。新東帝都大学合格を目指すが2浪決定。失意と呆然の帰り道で光＆響に追われていた結と偶然に遭遇し、彼女をなし崩しに羽化させた事で御中広人から自分が葦牙というセキレイを御する存在であると知らされる。結と同居した事で大家に睨まれ下宿を追い出されたが、家捜しの末に出雲荘へ入居。鶺鴒計画に巻き込まれる中、数々のセキレイ、そしてそれを取り巻く人達と交流していく。

控えめな性格で、父親が行方不明であり小さい頃から母、祖母、妹の家族構成で育ってきたため家族と女性には全く頭が上がらない。加えて女性免疫に乏しく、スカートの中を見ただけでも鼻血を噴出してしまう。実は小中高と常にトップクラスの成績を収めているが、それを本番では発揮できない、いわゆる極度のヘタレ。それを除けば生活態度の良い、誰にでも優しく接することのできる好青年。

結と出会い、だんだんと彼女に惹かれていく。しかし最近は月海にも惹かれ始めており、自分の気持ちに困惑する一方で知らずに両者の嫉妬を買っている。また自分が羽化させたセキレイ全員と同居する形になっており、美哉からはよくその事をツッコまれている。

鶺鴒計画に関しては守秘義務によって第三者への漏洩を禁止されている事以外に詳しいことはあまりわかっておらず、また殆ど聞かされていない。そのため帝都内でのM･B･Iによる厳重な警備の意味や、葦牙達による巨大な縄張り争いが繰り広げられている事を知らなかった。

現在は鷸ハルカと久能の帝都脱出を手助けする事になり、瀬尾香へサポートを依頼する。

結（むすび）

本作のヒロイン。佐橋皆人が最初に羽化させたセキレイ。活発系の美少女で作品中1、2を争う巨乳（推定ＧまたはＨカップ）の持ち主。ミニスカート風の巫女服（絶対領域あり）を普段着用しており、他には佐橋ユカリの古着である体操服とブルマーがお気に入り。長い黒髪を後ろで束ね、加えて長いアホ毛がある。性格は明朗快活で天然ボケ。更に負けず嫌い。羞恥心に欠けており、はしたない姿を晒しては美哉から慎みが無いと叱られている。かなりの好戦派で弱い者には優しく、またそれらを虐める者には容赦が無い。

拳系（格闘系）のセキレイであり、華奢な体に似合わぬ怪力＆機動力＆スタミナの持ち主（月海曰く「体力バカ」）。ものすごい大飯喰らいで、カレーの特盛が得意料理、というよりそれしか作れないので皆人にとって彼女の料理はややトラウマと化している。

皆人を心から大切に思っていて、その直向さは皆人の内外に大きな影響を与えている。しかし月海の登場と皆人が彼女にも惹かれ始めた事で、表には出ないが激しい嫉妬を燃やすようになった（この時、背後に巨大なグリズリーのイメージが出現する）

他のセキレイから忌み嫌われているはずの鴉羽と何故か親しく、二人の間には「残りの二羽まで生き残り、最後の勝負をする」という約束が交わされている。そして鴉羽に勝利し、全ての負けたセキレイを再び世に開放する事が彼女の夢である。それを叶える為、日頃から美哉の下で猛特訓中。

現在は皆人をハルカと久能に引き合わせ、彼らの帝都脱出を手助けするため皆人と共に行動中。また皆人パーティの戦闘要員として、月海とタッグを結成している。

草野（くさの）

皆人の2番目のセキレイで、「緑の少女」またはラストナンバーと呼ばれている。白のワンピースを着ている幼女で、あだ名はくーちゃん。植物を急激に成長させる能力を持ち、一時は植物園の草木をジャングル化してしまった。他に植物と会話し、草木を通して葦牙に語りかけることが出来る。お守りとして小さな鉢植えを携帯するようになり、有事の際にはそれを使って相手を威嚇する。

幼さと羽化するまでの境遇ゆえか怖がりで寂しがり屋。皆人とみんな仲良しなのが大好きで、ケンカが大嫌い。最近は結や美哉、さらには松にも感化されたのか、いろいろな感情や行動を見せるようになった。皆人の本妻争奪戦では周囲からノーマークながらもちゃっかり「くーをおよめさんにしてね」と皆人に告白したりしている。

松（まつ）

皆人の3番目のセキレイ。三つ編み美人で縁なしの丸眼鏡がトレードマーク。常に白衣を着用。とある理由によりM・B・Iから追われていて、美哉によって出雲荘の201号室（隠し部屋）に匿われている。

自称「軍師」。メカマニアにしてアッチのネタが好きなエロ魔人。ついでにオヤジギャグ大好き。凄腕のハッカーで、超大国の軍事衛星をあっさりハッキングしてしまうほど。またM・B・Iの超極秘データベースをハックした事でセキレイや葦牙、そして鶺鴒計画に関する知識も豊富。自室にはいくつものPCとモニターが並んでおり、そこで帝都やセキレイの動きを観察し、皆人達をサポートする。

皆人の本妻争奪戦では他の3羽と違う立ち位置で、昼メロのようなドロドロした展開を期待しつつ成り行きを観察しながらも、皆人を相手に「実験」するべく常に隙を伺っており、その度に美哉に睨まれている。

現在は不埒な行いをするセキレイによる襲撃事件を調査しつつ、いずれ来る鶺鴒計画の第参段階を警戒し皆人パーティーの増強を図っている。

月海（つきうみ）

皆人の4番目のセキレイ。古風な言葉使いが特徴で、性格も古風にして気丈。かつては葦牙を嫌い、自分の葦牙を見つけたらその手で殺そうと考えていた。理由は「人間が下等なサルだから」というが、本当は葦牙との「まぐわい」が恥ずかしいから。また最強のセキレイを目指しているが、葦牙不要であることを証明するためであったのが、羽化してからは皆人と添い遂げるためと理由が替わっている。要するに典型的なツンデレ。強風や激しい動きでミニスカートが捲れる場面が多いため、良く「ぱんつ丸見え」と言われている。

水を操る能力の持ち主で実力は高く、羽化前に襲撃に来た光と響をあっさり追い払った。焔をライバル視しているが、当人からは相手にされていない。ちなみに篝を目の前にしながらその正体に全く気付かなかった。

皆人によって羽化されてからは、出雲荘の面々に憚ることなく本妻宣言して、皆人の本妻争奪戦を巻き起こす直接の火種となる。しかし皆人の気持ちが常に結の方を向いているため、焦りと苛立ちを隠せなくなってきている。

現在は皆人パーティーの戦闘要員として結とタッグを結成。謎の不埒なセキレイからハルカと久能を助ける形となる。まともに戦えないほどの弱者である久能にある種の羨望を感じているものの、ハルカの帝都脱出計画を不服として手は貸していない。

[編集] 皆人の家族

佐橋ユカリ（さはし ゆかり）

佐橋皆人の2つ年下の妹、現在は新東女子大学１年生。実家から皆人の下宿へ遊びに来たこともあるが、大学合格を機に上京してきた。キツい性格で小悪魔的。ダメ兄である皆人を「ヘタレ」と非難しているが、昔から優しくて、常に心配してくれるので心底から嫌いではない。またその気になればできる子なんだと誰よりも理解している。

美形・美少年に大変目がなく、眼鏡に適えば年齢は関係ない様子。「美少年は国の宝」と豪語し、それを守るためなら何者をも恐れず。傷付けた者には怖ろしい制裁を与える。実は皆人以上に性に関する免疫が乏しく、ちょっと性的に興奮しただけですぐ鼻血を噴出し、極度に興奮すると気絶してしまう。

偶然に遭遇した椎菜の葦牙となり、彼の目的である草野探しに協力するため鶺鴒計画の戦いに積極的に参加中。実は椎菜と出会う直前に訪れた出雲荘内で草野と対面している。しかしその時は「くーちゃん」というあだ名で呼ばれていたため本当の名前を知らない。

椎菜（しいな）

極少数の男のセキレイ。葦牙は佐橋ユカリ。目の覚めるような美少年で、純真。触れた物を瞬時に枯らす（腐敗させる）能力を持ち、その力を使った技「死の庭（デス・ガーデン）」は祝詞を唱えた八嶋の武器を一瞬で粉砕、同時に八嶋を機能停止させたほどの威力がある。同系統の能力を持つ草野とは兄妹のような関係。実際に草野からはしーちゃんと呼ばれており、大変に仲が良い。

離れ離れになってしまった草野を探すため、ユカリと共に鶺鴒計画へ参戦中。ユカリとは互いに惹かれ合う関係だが、抱きつくだけですぐ鼻血を噴き倒れてしまうユカリに辟易している。

[編集] 出雲荘の住人

浅間美哉（あさま みや）

出雲荘の美人管理人。常に和服姿の未亡人。夫である浅間建人の月命日には墓参りに行く。とても温厚な性格で世話好き。常に微笑を絶やさないが、怒ると物凄く怖い（笑いながらも背後に般若のイメージが浮かぶ）。

居合いの達人であり、その他にも結の正拳を鍋蓋で易々と受け止めたり、月海との稽古で地面を大きく抉るほどの斬撃を放つなど、圧倒的な実力の持ち主。

実はセキレイのNo.01で、全てのセキレイの姉的存在である（ここで篝はうっかり「お母さん」と表現してしまい、般若モードで怒られた）。更にその強さゆえ他のセキレイや葦牙が手を出せず、実質的な帝都北側の主となっている。しかしその正体には謎が多く、唯一苗字を持ったり、入浴シーンで背中に鶺鴒紋が無かったりする理由については今のところ明かされていない。

鶺鴒計画の全てを知っていながらも、自らはそれを語らずに計画の行く末を見届ける意思がある模様。

焔（ほむら）

出雲荘の住人。男性のセキレイで普段はホストをやっている。源氏名は篝（かがり）で店のナンバー1.。黒のスーツ&コートを着用しており、セキレイとして活動する時は顔の下半分をマスクで隠している。クールだが愛想良く、ややキザな所がある。人に触られる事とほうれん草が嫌い。苛立つと煙草を吸うのが癖。

美哉の友人で、高美とは鶺鴒計画に関する情報を交換し合う関係。月海からは一方的にライバル視されている。

「セキレイの守護者（ガーディアン）」を自称する炎使いであり、未羽化のセキレイを不当に襲う者を追い払うべく日夜の新東帝都を駆け回っている。戦闘能力は高く、幾度となく光＆響を退け、蜜羽の攻撃をものともしなかった。

彼自身も未羽化であるが本人はそれを「なりそこない」と表現しており、どの葦牙にも選ばれず、自らは誰も選ばないことを望んでいる。しかしそれ故に身体が非常に不安定で、一度は自らの能力によりメルトダウンしかけたことがある。また、最近になって葦牙の誰かと感応を始めたのか肉体が女性化を起こし始めており、その事で大変に苦しんでいる。

何度か御中広人を「殺す」と宣言している。それは鶺鴒計画の妨害、もしくは中止を狙っているのか、個人的な恨みであるのか定かではない。

鈿女（うずめ）

出雲荘の住人。203号室に在住するセキレイ。千穂という葦牙がいるが、彼女は長期入院しているため一緒にいる時間は少ない。軽装、薄着でいることが多く、また部屋には着ぐるみやコスプレ衣装が大量に置いてある。楽天的で賑やかし。皆人をからかって遊ぶ一方で千穂の身を常に案じており、その事になると途端に脆くなってしまう。身に纏った比礼（ひれ）を操る能力を持ち、それを使って攻撃を行うが本来は闘う気はまったくない。

このところ礼節を欠いた闘いを繰り返して松にマークされている不埒なセキレイの正体は彼女である。一度は結と月海に発見され勝負を挑まれるが、突如乱入してきた風花によって逃走に成功する。なぜ闘いを嫌う彼女がこのような事をしているかは不明。その背後には千穂の病気を盾に脅迫している者がいるようである。

[編集] M・B・I

御中広人（みなか ひろと）

世界でも有数の超巨大企業M・B・Iの社長。1999年に洋上で突如出現した神座島（かみくらしま）の探索中、船のような施設を発見。その後2020年に新東帝都で鶺鴒計画を発動させた。当時は大学始まって以来の超天才と呼ばれていた（但し高美曰く「紙一重の存在」）多分に尊大で賑やかしな人。自らゲームマスターを名乗って計画へ積極的に関っており、現在は第弐段階として新東帝都を占拠。セキレイ達の戦いの場とさせて行く末を見守っている。

高美（たかみ）

M・B・Iの重役（？）の女性。御中広人とは大学時代からの腐れ縁。生まれたセキレイ達を調整する役目がある。皆人、ユカリに関連があるらしい。緊急時は焔へ連絡を取り、事態の収拾を依頼することがある。

鴉羽（からすば）

「黒い鶺鴒」の異名を持つセキレイ。通り名の如く、黒の衣装を纏う。葦牙は夏朗（なつお）。「M・B・Iの狗」とも呼ばれる懲罰部隊の一人で、セキレイの粛清が任務。飄然とした風だが本性は残忍。太刀を武器としており、蜜羽を一撃で斬り殺したほどの腕を持つ。美哉とは浅からぬ因縁があり、また彼女を知る殆どのセキレイから恐れられ、忌み嫌われているがただ一人、結だけは彼女と友好的に接している。結や美哉との間に何があったのかは不明である。

[編集] その他

瀬尾香（せお かおる）

光＆響の葦牙。浅間健人の親友。バイト先の工事現場で佐橋皆人と知り合い、彼の人柄を気に入り友人となった。粗暴で図々しく、守銭奴であり他人の迷惑をものともしない性格だが美哉だけは大の苦手。大学6年生で現在はまったく通学せず請負業で生計を立てており、それだけでは足りないので光＆響にもバイトさせたり、出雲荘へ飯をたかりに行ったりする通称「クズの人」。出雲荘201号室へ続く隠し扉を作ったのは彼。他の葦牙と違う特別な能力を持っている模様。また鶺鴒計画に対してもいろいろな事情に詳しい。後に皆人の頼みによって（報酬をもらえないため不本意ながらも）ハルカの帝都脱出に力を貸す事になった。

光・響（ひかり ひびき）

瀬尾香のセキレイで双子。アルバイトの制服姿が多く、戦闘時はボンデージファッション。黒服・巨乳の方が光で、貧乳が響。気性の激しい光とそれを宥める響のユニットで、常に一緒に行動する。二人とも電撃を操るセキレイで、羽化前のセキレイを専門に襲うというルールに反した行いをしている。一応「羽化前のセキレイを鶺鴒計画に巻き込ませない」という目的があってのことだが、すべて焔に妨害されて一度も成功していない。瀬尾の生活費を補うため日夜バイトに追われ、他のセキレイからは「葦牙がクズの～」と毎度言われる苦労人。瀬尾とは常にケンカしているが、彼が月海を強引に羽化させようとした時は「浮気者！」と激しく怒っているので、瀬尾の面倒はまんざらではない様子。

現在も残り少ない未羽化のセキレイを探している模様。全て羽化した後の行動（真意）については不明である。

御子上隼人（みこがみ はやと）

帝都の南側に巨大な縄張りを持つ少年の葦牙。収集癖があり、葦牙の特性を悪用して手段を選ばず手当たり次第にセキレイを羽化させてきた。自宅にはまだ多数のセキレイがいる様子。

夜見（よみ）

御子上のセキレイ。死神の大鎌（デスサイス）が武器。高飛車な口調が特徴。陰険でサディスティック。闘う相手を一糸纏わぬ姿として悦に入るのが大好きというヘンタイ。御子上に献上するため草野を誘拐しようとしたが、寸前で失敗し結と戦闘。武器を振るうことで放つカマイタチ攻撃で結の服を切り裂くも、最後の攻撃を全てかわされ、鶺鴒紋を消されて敗北、機能を停止した。

蜜羽（みつは）

御子上のセキレイ。ツインテールな鞭使い。コギャル口調で喋り、生意気でキレやすい。未羽化のセキレイを御子上に献上するため秋津と共に椎菜を追い回すが焔の妨害に会い失敗。その後、他の未羽化のセキレイを捜索中に鴉羽と遭遇。無謀にも戦いを挑み、斬り捨てられて機能を停止した。

秋津（あきつ）

廃棄ナンバーのセキレイ。現在は御子上の元にいる。他と違って額に真紅の鶺鴒紋を持つ。白い長襦袢に鎖を着用。無表情で、無感情である。本来放たれるはずのない帝都へ何故か捨てられていたところを御子上に拾われたようで、また捨てられる事を恐れ、任務を忠実に果たそうとする。氷を操る能力を持つ。味方をサポートする役割だが、その特性からか焔とは互角に渡り合った。

陸奥（むつ）

御子上のセキレイ。男性。刀を武器としている。椎菜の羽化を妨害したユカリに怒った御子上の命令で彼女を狙ったが、直後にユカリの手で羽化した椎菜の祝詞を警戒し、御子上を抱えて逃走した。

八嶋（やしま）

大槌を武器とするセキレイ。パーカーを着た男が葦牙で、彼に虐げられている。椎菜との戦闘において「死の庭」を受けて敗北。機能を停止した。なお、この後パーカーを着た男はユカリによって制裁された。

鷸ハルカ（しぎ はるか）

久能の葦牙で2浪生。童顔で熱血系の青年。久能と共に鈿女に襲われていたところを結と月海に助けられ、その縁で皆人と接触。奇しくも皆人が追い出された下宿の同じ部屋に住み、年齢、更に新東帝大志望で上京組なのも一致した事で皆人と意気投合する。「唯一違うのはセキレイだけか……」と久能の無能ぶりに嘆いているが、彼女の事は何よりも大切に想っている。あまりにも弱い久能の為に帝都を脱出し、鶺鴒計画からのドロップアウトを決意。そのために協力してほしいと皆人に懇願する。

久能（くの）

鷸ハルカのセキレイ。おそらくは最弱に位置するセキレイで、泣き虫で弱虫のドジっ娘。大音量の泣き声が唯一の武器であり、故に逃げ回ることしか出来ないためハルカからは事ある毎に「無能」呼ばわりされている。

風花（かぜはな）

残り二人だけとなった羽化前のセキレイの一人で、とある理由から鶺鴒計画そのものに興味を無くしている。ボディコンな衣装を着用。かなりの気分屋で、闘いよりお酒の方が好きという無類の酔っ払い。以前は出雲荘の住人だった。風を操るセキレイであり、月海からまんまと逃げおおせたり、鈿女の背後を取って鶺鴒紋に触れた程の高い実力を持つ。鈿女に命を狙われてたが成り行きで彼女と共に泥酔。二人して鈿女の部屋と違うことに気付かず皆人の布団へ（ハダカで）潜り込む。後に皆人から久能の境遇を聞き、「セキレイは恋に生きるべき」として彼女の駆け落ち（ハルカは否定している）を手伝う事にした。皆人に対して、かつての想い人に似た感情を持ち始めている模様（容姿が似ているようである）。

浅間建人（あさま たけひと）

美哉の夫で、瀬尾香の親友。M・B・Iの研究所員であり、その時に松とも知り合っている。既に故人であるが、彼の存在が物語において重要な意味を持つと思われる。

[編集] 用語

鶺鴒計画（せきれいけいかく）

2020年にM・B・I社長、皆中広人が発動させた極秘のプロジェクト。その内容は108羽のセキレイを帝都に放ち、選ばれし葦牙と共に最後の1羽までバトルロイヤル方式で闘わせるというもの。最後に残った葦牙は世界の命運を手に入れ、セキレイは最も好きな人と永遠に嫁がれるという。一定数のセキレイが羽化したため計画は第弐段階へ進行、セキレイ達の戦場として整備させるため、M・B・Iによって新東帝都の占拠が行われた。今後は計画の性質上、戦闘の膠着化や放棄を避けるために第参段階が予定されている。

セキレイ（せきれい）

鶺鴒計画の中心。葦牙を嵩天へ導くため世に放たれた108羽の存在。見かけは人間だが共通して鶺鴒紋があり、個体別に特化した能力を持つ。殆どが女性だが男性のセキレイも存在。人間が持つ「葦牙」の能力に反応し、キスなどによる粘膜接触することで羽化。以後その葦牙に仕えるようになる。葦牙との精神感応能力を持つが誰にでも感応するわけでなく、相性がある模様。但し葦牙であれば誰と接触しても羽化してしまい、以降は他の葦牙に反応することはなくなる。

葦牙（あしかび）

セキレイを御する能力を持った人間。セキレイを羽化させ、その主人になることができる。一部の葦牙は複数のセキレイを羽化させることができたり、他の能力を身につけたりできる。複数のセキレイを御する葦牙は羽化させる度に能力が増し、よりランクの高いセキレイを羽化させることができるようになる。これを悪用して無差別にセキレイを羽化させる者もいる。由来は高天原に出現した神「可美葦牙彦舅尊」（うましあしかびひこぢのみこと）

鶺鴒紋（せきれいもん）

羽化したセキレイの証。首筋に近い背中に現れる。紋の出たセキレイは自分の能力を自在に扱えるようになり、祝詞を唱えることで能力の強化が可能となる。最大の急所でもあり、これに触れられ祝詞を唱えられた者は鶺鴒紋を消され、機能を停止させられてしまう。但し、葦牙が同じセキレイ同士では効果が無い。

祝詞（のりと）

セキレイがより強大な力を発動させる時に唱える言葉。また鶺鴒紋を消去する時にも唱えられる。事前に葦牙と粘膜接触する必要があるが。鶺鴒紋の消去は単体でも可能。

M・B・I（えむびーあい）

鶺鴒計画の大元である超巨大企業。元々は遺伝子系新薬の製薬メーカーであったが、他業界にも進出しその全てで成功を収めている。社長は皆中広人。企業名の由来は製薬メーカー時代の社名『MID BIO INFORMATICS 』の頭文字をとったもの。本社ビルは帝都一の高層物で、「嵩天（すうてん）」とも呼ばれている。

出雲荘（いずもそう）

浅間美哉が大家を務める木造アパート。トイレ・風呂共同、1日2食のまかない付きで家賃は月5万円の6畳1間。現在は松（201号室）佐橋皆人（202号室）鈿女（203号室）結と月海（204号室）が入居。草野は大家の部屋で美哉と同室。焔は居候で風花は元住人。ちなみにセキレイ達が所有しているM・B・Iマネーカード（VIP待遇により上限額なし）は美哉の一存で使用禁止となっている。

神座島（かみくらしま）

1999年、地学的にありえざる隆起によって洋上に突如出現した謎の島。地図には掲載されていない。皆中広人と高美が島を探索し、近代文明とは明らかに異なる船のような建物を発見する。セキレイはここで誕生しM・B・Iの調整によって力を制御され世に放たれるが、闘いに敗れた場合は島へ帰されてしまう。

新東帝都大学（しんとうていとだいがく）

日本一の難関といわれる大学。佐橋皆人、鷸ハルカが2度受験に失敗している。

シングルナンバー（しんぐるなんばー）

No.01～No.09のセキレイを指す。以降のセキレイとは若干異なる仕様らしい。

[編集] セキレイナンバー

セキレイ108羽には各々ナンバーが割り振られている。名称不明や既に脱落しているのは、この物語の割愛である模様。なお、シングルナンバーは多少特別らしい。

• No.01　美哉
• No.02　松
• No.03　風花
• No.04　鴉羽
• No.05　陸奥
• No.09　月海
• No.10　鈿女
• No.19　伊岐
• No.38　蜜羽
• No.43　夜見
• No.84　八嶋
• No.88　結
• No.95　久能
• No.107　椎菜
• No.108　草野
• 廃棄No　秋津

[編集] 備考・その他

• 用語に度々「日本書紀」または「古事記」から引用したものが出てくる、ただし展開は神話になぞらえたものではない。
• セキレイの名前は日本神話に出てくる名称だったり、単に数字を音訓読みしただけのもある。
• 新東帝都は現在の東京都と思われる。
• 仮にも企業による大々的な占拠を実行したら政府が黙っていないはずだが、そのあたりの説明はされていない。
• カラーページになると入浴シーンが入るのは作者曰く「お約束」とのこと。
• コミックス1巻第参話「萌（キザ）ス帝都」は「モザステイト」と誤植されていた。重版で正しく修正されている。
• コミックス2巻、3巻の内表紙に作者の遊び心な絵が載っている。
• 結のプロフィールは身長161 cm、体重47 kg、B91 W58 H89、カップは不明。

• 作者がコミックマーケットでサークル参加している事から、2005年冬にはセキレイの同人誌を自分で出すのではとファンに思われていたようが、作者はそれに対して自分のHPで「出しません、出せません」とコメントしている。

[編集] 単行本

• 1巻‐2005年07月25日発売　ISBN 4757514573
• 2巻‐2005年11月25日発売　ISBN 4757515537
• 3巻‐2006年05月25日発売　ISBN 4757516843

[編集] 外部リンク

• めるちがーる　-　さくらあしか/極楽院櫻子のサイト。
• ヤングガンガン公式サイト内ライブラリー