スピードリミッター
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スピードリミッターとは、原動機(エンジンやモータなど)の運転最高速度を制限する制御あるいは装置である。自動車などの原動機を有する車両だけでなく、高速に動作する機械において事故防止の目的で備えられる。
[編集] 概要
何らかの方法で速度を検出し、設定された速度以上になると原動機の出力を低下させることで速度の上昇を防止する。
日本における電動アシスト自転車では補助は最大50%であり、速度が上がると電動機での補助を低くし、24km/hでは電動機の補助を行なわない方式になっている。日本以外ではこれらの制限がない場合が多い。
日本の原動機付自転車においては1980年代では点火の制御で対応する方式が主流であったが、減速比の設定で機械的に最高速度を制限する方式が採用されることもあった。2000年ころより電子制御燃料噴射を採用する原動機付自転車が登場し、自動車用ガソリンエンジン同様の制御が可能になった。
自動車のディーゼルエンジンでは燃料の噴射タイミングまたは噴射量で対応する。
自動車のガソリンエンジンでは1980年代に普及し始めた電子制御燃料噴射装置を用いたエンジンでは車速センサーで速度を検出し、燃料の噴射を停止することで対応することが多かったが、希薄燃焼によるエンジン損傷を防止するために1990年代には点火も同時に停止する方式が主流になった。これらの方式では特別な装置を必要としない。点火時期の遅延や点火の停止を用いる方式では、キャブレターや機械式燃料噴射装置を用いたエンジンでもスピードリミッターを備えることが可能になる。
[編集] 自動車などの車両に設定される速度
- 日本における国産小型自動車および普通自動車:自主規制により180Km/h(スピードメーターも180km/hまでが多い)
- 一部の輸入車(欧州車):自主規制により210または250Km/h(スピードメーターは260km/hまでが多い)
- 日本における国産原動機付自転車:自主規制により60Km/h(スピードメーターは60km/hまでが多い)
- 日本における大型トラックでは90km/h以上の速度を出せないように制限するスピードリミッターが2003年9月に義務付けられた。
など
[編集] 可変リミッター
自動車の一部の車種に装備されているもので、スタッドレスタイヤの装着時や、他人に車両を貸した場合などを想定して、制限速度を変更できる機能である。