ジー・オーグループ
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ジー・オーグループとは、大神源太(おおがみ げんた)が実質的に運営していた企業グループ。ジャパンジー・オーグループインターナショナル株式会社を持株会社としてその下にグループ企業を置いた。「ジー・オー」は大神のイニシャルで、正確には(グループ側の表記だけでなく登記上も)「ジー.オー」である。本社は東京都港区三田にあった。
グループ企業の一つであるジー・コスモス・ジャパン株式会社が独特かつ詐欺的な商法で1996年頃より多額の資金を集めたが、出資法違反や詐欺の疑いで摘発され、その後に破産。
大神は、2002年に詐欺罪で逮捕され、2006年12月現在、公判中。
目次 |
[編集] 略史
- 1996年頃よりジー・コスモス・ジャパンが資金集めを開始。
- 2002年3月、警視庁が出資法違反でグループ各社を一斉捜索。
- 2002年4月、大神個人とグループ会社のジャパンジー・オーグループインターナショナル、ジー・コスモス・ジャパン、神埼共栄開発、みなもと債権回収に破産宣告が出される。
- 2002年9月、警視庁が大神らを詐欺罪の容疑で逮捕する。
- 2005年9月、破産終結。
(2006年12月現在、大神は公判中。他の幹部は詐欺罪などで有罪確定。)
[編集] 勧誘方法
以下のように在宅ワークを装って消費者(求職者)を誘引し、広告費という名目の出資金を集めた。
- 1996年頃より広告代理会社ジー・コスモス・ジャパンが、求人情報誌や新聞折り込み広告で在宅ワークの求人広告を行なう。
- 資料を請求してきた人に「ジーシステムの手引き」という冊子を送付する。
- 電話勧誘で、消費者に対して、ジーシステムの登録を行ない広告費を出資すると高額な配当が確実に得るられると誤信させた。
[編集] 出資金を集める方法
当初は、下記のような「ジーシステム」(元本の保証なし)で出資金を集めていた。この方法だけでは思うように出資金が集まらず、その後、「確約エントリー」、「広告活動代金」、「買収設立活動代金」等と称して元本保証かつ高配当を謳い資金集めをするに至った。
[編集] ジーシステム(通常のエントリー)
- 消費者は、商品ガイドより商品を選択する。
- 消費者は、選択した商品に対して、広告費名目の出資を行なう。これを「エントリー」と称する。1回のエントリーに2000円の手数料がかかる。
- グループ会社より通信販売の売り上げがあると、それに応じた配当金(報償金)が消費者に支払われる。
- 広告費として出資した金員は、消費者が請求すれば返金させる。
- 以上のようなジーシステムを利用するには、会員登録し、月会費3000円を1年分一括で支払う必要がある。
[編集] 事業の実態
グループ会社の通信販売は、ほとんど行われておらずジー・システム自体も架空の事業であった。出資法違反容疑で2002年3月に警視庁がグループ各社を一斉の捜索したときも、通信販売用の商品は全く発見されていない。
[編集] ユニバG
同グループは、フィリピンを原産とするバナバの葉を原料とするお茶(ジー・オー側は「薬餌飲料」と称した)「ユニバG」を「生活習慣病予防に役立つ」とPR、積極的に販促活動を行った。テレビCMや販促資料にはアクション映画で名をはせたジャン=クロード・ヴァン・ダムを起用した。
[編集] 大神の主演映画「ブレード・オブ・ザ・サン」
大神が主演し、ジェフ・スピークマンと共演した映画「ブレイド・オブ・ザ・サン(太陽の刀)」が製作されたがグループの破綻により一般公開されることはなかった。
なお制作費は5億円で、全世界で180億円の興行収入を見込んでいたという。
[編集] フィリピンでの銀行買収
同グループは、2001年9月にフィリピンのマニラ首都圏を中心として営業していたユニトラスト・ディベロップメント・バンクに13億円を投資し買収。同行はバンク・オブ・オーガミ(大神銀行)と改称し、グループ会員に向けて高金利の預金を勧誘していた。しかし、フィリピン中央銀行はこの買収を不認可。翌2002年1月に同行は破綻した。その後の捜査で同行のパンフレットはシティバンクのそれを丸写ししたものであることが判明し、同行に日本から預け入れられた資金は同グループの運転資金に回されたものと見られている。
[編集] グループ企業
これらはすべて清算され現存しない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 大神源太名誉会長リンク
- ジーオーグループホームページ Internet Archiveに保存されたページで、強制捜査の前後に開設、大神源太逮捕後に閉鎖。