ジョニー・ウォーカー
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ジョニー・ウォーカー(Johnnie Walker)はスコッチ・ウイスキーの世界的に有名な銘柄で、スコットランド、キルマーノックでDiageo株式会社が作った。
ジョニー・ウォーカーはキルマーノックの町の駅のちょうど北側の醸造所で作られ続けている。いまだにStrand通りとJohn Finnie通りには歴史的な保税倉庫と会社の事務所(今は地方自治体)がある。
ジョニー・ウォーカーはスコッチの銘柄としては世界で一番広まっている。200以上の国々で年間1億2000万本売れている。
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[編集] 歴史
もともとは"ウォーカーの、キルマーノック・ウィスキー"として知られ、その銘柄は、ジョン“ジョニー”・ウォーカーがスコットランドのAyshireの食料品屋でウィスキーを売り始めて、それが受け継がれたものである。銘柄は有名になったが、このウイスキーが有名になったのは息子のアレグザンダー・ウォーカーと孫のアレグザンダー・ウォーカー2世によるところが大きい。
ウォーカーは1857年に亡くなったが、ウォーカー家が会社を立ち上げ、世界的に有名な銘柄に育て上げたことで彼の遺した物は確固たる物になった。
- ジョンウォーカーはウィスキーに名前をつけたが、息子のアレクサンダーのほうが重要な人物だ。1852年にキルマーロックを壊滅的な洪水が襲った年にウォーカーの在庫は大打撃をうけた。アレクサンダーが1856年に事業に加わり、狭い範囲での雑貨屋の商売をやめて、卸売業をやるべきだと父親を説得した。会社は始めの頃いろいろな蒸留酒を出していた。Kintyre半島のキャンプベルタウンウイスキーや、the Inner Hebridean Islandのアイレイウイスキー(これは、気の利いたスモーキーな風味)、パテントスティルかグレーンウイスキー、"グレンリヴェット"すなわちスペイサイドウイスキーなどである。 ウイスキーの売上はジョニーウォーカーが売ってる頃は会社の8パーセントの収入にすぎなかったが、アレクサンダーが息子に会社をついで去る頃にはその数字は90から95パーセントに上がった。(引用Giles MacDonogh)
[編集] ブレンド
1860年より前はモルトとグレーンウイスキーを混ぜることは違法だった。その期間にジョニーウォーカーはたくさんのウイスキーを売った。特に彼の"ウォーカーのキルマーノック"である。 1865年にジョンの息子アレクサンダーはウォーカー初のブレンド"ウォーカーのオールドハイランド"を生産した。 1906年から1909年はジョンの孫ジョージとアレクサンダー二世が製品を拡大して、色の名前で売り出した。第一次世界大戦中ジョニーウォーカーホワイトを作り、1932年にはアレクサンダー二世がジョニーウォーカースイングを発売した。下の表は様々なジョニーウォーカーのブレンドを並べ、生産の年と一番安いものから一番高いものまででまとめている。
Age | 1865–1905 | 1906–1908 | 1909–1911 | 1912–1931 | 1932–1991 | 1992–1996 | 1997–現在 |
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ヤング (ブレンデッド) |
オールドハイランド | ジョニーウォーカー 白ラベル |
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none given (ブレンデッド) |
スペシャル オールドハイランド |
ジョニーウォーカー 赤ラベル |
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12年 (ブレンデッド) |
ウォーカーの オールドハイランド |
エキストラスペシャル オールドハイランド |
ジョニーウォーカー 黒ラベル |
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17年 (ブレンデッド) |
ジョニーウォーカー スイング |
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15年 (ヴァッテッド) |
ジョニーウォーカーピュアモルト 通称 “グリーン” |
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18年 (ブレンデッド) |
ジョニーウォーカー ゴールド |
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ベリーオールド (ブレンデッド) |
ジョニーウォーカー ブルー |
- ジョニーウォーカー赤ラベル。グレーンウイスキーとモルトウイスキーのプレミアムブレンド。世界で最も売れているウイスキーでジョニーウォーカーの製品のなかで唯一、ほかの物と混ぜて飲むことを念頭においている製品である。
- ジョニーウォーカー黒ラベル。40ものウイスキーのぜいたくなブレンド。そのどれもが12年以上である。ウィンストン・チャーチルのお気に入りとも言われている。
- ジョニーウォーカースイング。特徴的なボトルから名前がついた。底が特殊でボトルを前後に揺すっても大丈夫である。アレクサンダー二世の最後のブレンド(ゴールドとブルーが基になっていると彼のメモにある)でアメリカにはめったにない。
- ジョニーウォーカーピュアモルト(通称グリーン)。ヴァッテッドモルトウイスキーで約15のシングルモルトウイスキーからなる。代表的なのはタリスカー、クラガンモア、リンクウッド、カリラなどの15年である。
- ジョニーウォーカーゴールドラベル。15以上のシングルモルトの贅沢なブレンド。本来とても珍しいクライヌリッシュモルトが基である。サー・アレクサンダーウォーカー(アレクサンダー二世)のブレンドのメモが基になっている。彼は会社の創始者の孫。サー・アレクサンダーはジョニーウォーカー百周年を記念して、熟成したモルトの特別なブレンドを作りたいと強く思っていた。第一次世界大戦が起こり、モルトが不足し努力は実らなかった。1950年にサー・アレクサンダーのノートを引き継いだマスターブレンダーが、それを使って彼に捧げるブレンドを作った。しかし第二次世界大戦が起こり、仕入れの問題でまたも中断した。現在ジョニーウォーカーは、なかなか無いが必ず要る熟成したモルトの在庫を確保し、この百周年のブレンドはついにゴールドラベルとして手に入るようになった。
- ジョニーウォーカーブルーラベル。ジョニーウォーカーの究極のブレンド。すべてのボトルにシリアルナンバーがついていて、シルクの裏地の箱で売っている。証明書がついている。年齢は書いていないが、50年から60年のウイスキーが多種類ブレンドされていると言われる。
- ジョニーウォーカーブルーラベル200周年記念。2005年にジョニーウォーカーの究極のブレンドの究極のボトルがでた。ブルーラベルのカスク・ストレングスを特別に放出し、四角いバカラ社製の水晶のデカンタに瓶詰めされた。デカンタはシルクの裏地の革の箱に収まり特別の文書がついていた。超限定商品で4000ドル前後で売られた。
[編集] 大衆文化の中のジョニーォーカー
- ロン・ホワイトは演技中にジョニーウォーカー・黒ラベルを飲む。
- 村上春樹の海辺のカフカでジョニーウォーカーという名前の登場人物がいる。いでたちは赤いジャケットとブーツ、ステッキ、蝶ネクタイで会社のロゴにある人物が着ているものである。ジョニーウォーカーは日本でかなり有名である。
- 多くの歌手や作曲家が作品の中にジョニーウォーカーをとり入れている。たとえばジョージ・ソログッド、エリオット・スミス、レイナード・スキナード、アマンダ・マーシャル、レオナルド・コーヘン、ジミー・バフェットらがしている。
[編集] 参照
- “Walking Tall: From Grocer to Whisky Powerhouse, Johnnie Walker’s Been Going Strong for 186 Years” by Giles MacDonogh, writing for Cigar Aficionado.