シルダリヤ川
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シルダリヤ川(シルダリヤがわ)(Syr Darya/Sīr-Daryā سیردریا)は、天山山脈の2箇所(キルギスタンと東部ウズベキスタン)に源を発し、南部カザフスタンを北西へ向かって流れ、アラル海に注ぐ川。延長2,220 km。「ダリヤー(ダルヤー)」 Daryā は、ペルシア語で「海、川」の意味なので、「シル川」、「スィル川」と表記する場合も見られる。
ギリシア語文献ではヤクサルテス ὁ Ιαξάρτης / Jaxartes, Yaxartes の名前で記されている川で、10世紀頃のペルシア語の地理書ではフシュラト川 رود خشرت rūd-i Khushrat とも呼ばれており、アラビア語ではサイフーン川 سيحون Sayḥūn と称されていた。
上流部のフェルガーナ地方ではフジャンド川とも呼ばれており、最上流部のナリン川はキルギスタン領内のイシククル湖に近い天山山脈を水源とし、フェルガーナ中部でウズベキスタン領であるアンディジャーンの下流で合流する。流域にはウーズカンドにはじまり、アンディジャーン、フジャンド、オトラールなど歴史ある諸都市が点在する。ウズベキスタンの首都タシュケントもシルダリヤ川の支流チル川による都市である。カザフスタン領内の下流域にはクズルオルダやバイコヌールなどの工業都市もある。
中上流域には古代にソグド地方を形成したタシュケント(古名チャーチュ)など有力な都市が多く存在した。この地域をイスラームの征服以降、マーワラーアンナフルと称したが、その東辺はシルダリア川流域地域を指し、「トルキスタン」とはもともとこれよりも東のイスラーム化があまり進行していないテュルク系の人々の住む地域を指していた。
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