サレジオ会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サレジオ会 (Societas Sancti Francisci Salesii、Society of Saint Francis de Sales、Salesians of Don Bosco、S.D.B.) は、北イタリアの司祭ヨハネ・ボスコ (John Bosco、1815年 - 1888年) によって1859年に結成されたカトリック修道会。会員数の規模はイエズス会に次ぐ。サレジオ修道会とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 創設
ヨハネ・ボスコは1815年8月16日、北イタリアのピエモンテに生まれた。1835年から1841年までキエリの大神学校で哲学、神学を学んだ後、当時のサルデーニャ王国の首都トリノで司祭に叙階された。19世紀後半のイタリア統一運動と産業革命の中で青少年たちが放置される現実に直面し、もっとも貧しい青少年たちのために生涯を捧げることを決意。1859年にサレジオ会を設立し、学校事業、社会事業を通じて多くの人々を導いた。1888年1月31日帰天。葬儀には10万人が参列した。1934年列聖。サレジオ会の現在の本部はローマにあり、ヨハネ・ボスコの理想を引き継いで世界で青少年教育活動を行っている。
[編集] 名称
サレジオ会の名称は、宗教改革期にカルヴァン派の拠点ジュネーブで活躍した北イタリア出身の司教・思想家、聖フランソワ・ド・サール (François de Sales、1567年 - 1622年) に由来する。「一樽の酢より一匙の蜂蜜のほうが、よく人々の心をとらえることができる」という彼の言葉に示される優しさと人間主義は、ヨハネ・ボスコの教育理念に深い影響を与えた。
[編集] 日本での活動
サレジオ会の日本での活動は、ラヴェンナ出身の教育者ヴィンチェンツォ・チマッティ博士を団長とする宣教師団の宮崎への到着により、1926年に始まった。1928年に出版事業のためドンボスコ社を設立、1932年には高齢者と孤児のための宮崎救護院(後のカリタスの園)を開設。1933年には宮崎神学校(後の日向学院中学校・高等学校)、1934年には東京育英工芸学校(後のサレジオ工業高等専門学校)を創立。1937年のサレジオ会日本管区認可、宮崎カリタス修道女会創立を経て、1946年に戦災孤児救済のため中津ドン・ボスコ学園(後の中津ドン・ボスコ学園中学校)、東京サレジオ学園を開設。1950年には大阪星光学院中学校・高等学校、また1960年には目黒サレジオ中学校・高等学校(後のサレジオ学院中学校・高等学校)を創立し、特色ある中高一貫教育を行っている。姉妹会として、ヨハネ・ボスコと聖マリア・マザレロ (Maria Domenica Mazzarello、1837年 - 1881年) により1872年に設立された女子修道会の扶助者聖母会 (Figlie di Maria Ausiliatrice, Daughters of Mary Help of Christians) があり、1929年宮崎に扶助者聖マリア修道院を、また1940年には東京に星美学園を創立し、カトリック精神に基づいた幅広い教育活動を行っている。なお、仙台教区長を経て、現在高松司教区教区長であるフランシスコ・ザビエル溝部脩師はサレジオ会の出身である。
[編集] 外部リンク
- サレジオ会本部
- サレジオ会日本管区(日本管区支部一覧)
- 宮崎カリタス修道女会日本管区
- 扶助者聖母会本部
- 扶助者聖母会日本管区
- Don Bosco Japan(サレジアン・ファミリー・リンク)
- Salesian Missions, NY
[編集] 参考資料
- Bosco, G., Memorie dell'Oratorio di S. Francesco di Sales dal 1815 al 1855. (石川康輔訳「ドン・ボスコ自叙伝」)
- The Salesian Society, Catholic Encyclopedia
- St. John Bosco, Catholic Encyclopedia
- St. Francis de Sales, Catholic Encyclopedia