サパティスタ民族解放軍
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サパティスタ民族解放軍 (-みんぞくかいほうぐん、Ejército Zapatista de Liberación Nacional, EZLN) は、1994年1月1日にメキシコ南部のチアパス州で、北米自由貿易協定への反対と先住民の立場に立った民主主義的変革を掲げて、突然武装蜂起した先住民主体のゲリラ組織。単にサパティスタとも呼ばれる。その名称はメキシコ革命で農民を指導した英雄エミリアーノ・サパタにちなむ。伝統的左翼ゲリラと大きく異なる方法論や主張で世界的に注目された。
この組織の前身は、伝統的マルクス・レーニン主義のゲリラ組織民族解放軍(FLN)の南東部方面軍だった。主力は、ツォツイル、ツェルタル、チェル、トホラバルなどの先住民で実質的なリーダーは、マルコス副司令官と名乗る非先住民の元大学教員である。当初は他にも非先住民の司令官や副司令官がいたが権力闘争や戦死などで彼一人になった。ただし、先住民ごとに司令官はいるが副司令官は彼一人だけということからもわかるように存在感は大きい。
[編集] 文献
- サパティスタ民族解放軍(太田昌国・小林致広訳)『もう、たくさんだ! メキシコ先住民蜂起の記録1』現代企画室、1995年4月、ISBN 4773894121
- 藤岡美恵子・中野憲志(共編)『グローバル化に抵抗するラテンアメリカの先住民族』現代企画室、2005年4月、ISBN 4773805021
- リカルド・ポサス(清水透訳著)『コーラを聖なる水に変えた人々 メキシコ・インディオの証言』現代企画室、1984年12月、ISBN 4773884029
- マルコス副司令官(小林致広訳)『老アントニオのお話 サパティスタと叛乱する先住民族の伝承』現代企画室、2005年3月、ISBN 4773804114
- マルコス副司令官ほか(小林致広訳)『ラカンドン密林のドン・ドゥリート カブト虫が語るサパティスタの寓話』現代企画室、2004年8月、ISBN 4773801050
- マルコス副司令官・イボン・ル・ボ(共著)『サパティスタの夢』(インディアス群書5)、現代企画室、2005年4月、ISBN 4773801018
- 山本純一『インターネットを武器にした“ゲリラ” 反グローバリズムとしてのサパティスタ運動』慶應義塾大学出版会、2002年9月、ISBN 4766409523
- イグナシオ・ラモネ『マルコス・ここは世界の片隅なのか グローバリゼーションをめぐる対話』現代企画室、2002年9月、ISBN 4773802022
[編集] 外部リンク
- Sitio oficial de la visita del E.Z.L.N. a la Ciudad de México (スペイン語公式サイト。ezlnaldf.org)
- Zapatistas in Cyberspace(英語)
- Independent Media Center: Chiapas Indymedia(スペイン語)
- ZNet: Chiapas Watch(英語)
- Student Project on Cyberactivism and the EZLN(英語)
- サパティスタ メキシコ先住民運動連帯関西グループ
- 現代企画室: 遠くから、サパティスタが問いかける普遍的な課題 蜂起12年目に当たって(2006年)
- Kaoru Yamasaki: サパティスタ民族解放軍のために(印刷物利用を除き GNU Free Documentation License サイト[1])
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