コート紙
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コート紙とは、コート原紙の上にカオリンなどの塗布を施し、紙の表層を平滑にしたもの。塗工紙。 光沢のあるグロスコート紙、光沢を抑えたマットコート紙、表面平滑性を引き上げたグラビアコート紙などがある。 また、表裏両面に塗工した両面コート、片側のみに塗工した片面コート、コート設備を使用せず、ごく簡単な塗工にとどめた微塗工紙などがある。 パルプ層で拡散するインクがにじみとなって表層に浮かび上がるのを塗工層が抑えるため、印刷用に適している。
[編集] コート紙の種類
- 両面コート紙
- パルプ層の表裏両面に均一な塗工層を有するもので、印刷用に最も多く使用される。一般にコート紙と呼ぶ場合は板紙に塗工したもの(コートボール)は範疇に含めない。
- 微塗工紙
- コート紙に比べて塗工層が薄く(すなわち塗工量が少なく)、Light Weight Coated PaperとしてしばしばLWCと略称される。実際にはLWCの場合は塗工量が少ないと言うよりは塗工後の製品としての紙の重量が軽い物を指すため、微塗工紙をLWCと呼称することは問題がある。
- グラビアコート紙
- 表面の平滑性を上げると同時に、グラビア印刷に適応できる薬剤を投入したもの。高速・高温のグラビア印刷に耐えられるよう、強度も高い。
- キャストコート紙
- 通常の塗工機でコート層を形成するのではなく、キャストドラムと呼ばれる大型のドラムで熱を加えながら表面の平滑性を上げる製法。平滑性は大幅に上がるが、キャストドラムによる生産性が悪いために大量生産には不向きである。
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