コンソメ
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コンソメ(仏:consommé)は、フランス料理におけるスープのひとつで、澄んだスープの一種。琥珀色、浅黄色を示す。もともと「コンソメ」とは仏語で「完成された」の意味。中世から見られるようになった。基本的な作り方は、牛、鶏、魚などからとった出汁(ブイヨン)に脂肪の少ない肉や野菜を加えて煮立て、そこに卵白をくわえてアクを吸着させる。それを漉した後、さらに浮いた脂分を取り除いて作る。見た目はシンプルだが、これらの過程は徹底して行われねばならず、非常に手の込んだスープである。
牛のコンソメは「コンソメ・ド・ブフ」(脂肪分が少ないので、牛の場合もっとも望ましいのはスネの肉である)、鶏のコンソメは「コンソメ・ド・ボライユ」、魚のコンソメは「コンソメ・ド・ポアソン」、キジやハトなどの野鳥、猟で得られた動物類のコンソメは「コンソメ・ド・ジビエ」と呼ばれる。また風味を増すため、材料には腱や軟骨など、ゼラチン質を含むものがなければならない。
冷やして飲む場合もあるが、熱いまま出す場合には冷めるのが早い上にゼラチン質を含むため、注意を必要とする。多くの場合は様々な付け合わせとともにサーブされる。風味豊かであるわりに、満腹感は与えないため、コースのはじめに食欲を刺激するのには理想的なスープでもある。
ダブルコンソメという、倍の濃さのコンソメのレシピもあるが、作り方は様々である。またかつては腱や軟骨などゼラチン質を多量に含む部位のみを、調味料を加えずに煮込んで、果物で風味をつけたものがデザートとして出されていたが、これはゼラチンを用いたデザートの先駆けである。
日本ではブイヨンと混同されて、「西洋料理に用いる出汁」全般がコンソメと呼ばれることもある。非常に多くの材料と長い時間を要するため(500グラムもの肉を用いても、250グラムほどのコンソメスープにしかならないようなレシピすらある)、家庭では肉や野菜などから作ることが少なく、固形状の「コンソメスープの素」を溶かしてコンソメ味を作ることがほとんどである。
また、スナック菓子に「コンソメ味」というフレーバーがつけられているが、これはカルビーが1978年に発売した「カルビーポテトチップス・コンソメ(現在はコンソメパンチ)」がヒットしてから一般化したもの。