クリスタリン
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クリスタリン(Crystalline)は、動物の眼のレンズに当たる器官、水晶体に存在するタンパク質の一種。重量にして水晶体の1/2〜1/3を占める。ほ乳類の場合、α-、β-、γ-の3種のタンパクの混合物である。なお、1826年にインジゴを加熱して得られた化合物が同名の「クリスタリン」と名付けられたことがあったが、こちらは後にアニリンという名称に統一されたため、この名は消失している。
[編集] 水晶体
水晶体の細胞は発生時にクリスタリンを一杯に満たすと他の器官を萎縮させてしまい、タンパクの合成機能も失う。このためクリスタリンは他のタンパクと異なり交換・補充が利かず、一生にわたって使用される。クリスタリンが会合を起こし、シスチン結合などを形成して固まってしまうと水晶体は透明度を失い、視力に障害が生じる。これが白内障の原因である。
[編集] 起源
クリスタリンのアミノ酸配列を調べると、全く異なる機能のタンパク質と相同性が高いものが多いことがわかっている。例えばヒトのα-クリスタリンはある種の熱ショックタンパク質とほぼ同一の配列を持つ。これは進化の過程で、他のタンパク質が流用されてクリスタリンができたものと考えられている。なおクリスタリンはその名に反して結晶化に成功しておらず、詳細な立体構造は解明されていない。
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