クライアント
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クライアント(client)とは、一般的に依頼を行い提供を受ける側のことをいう。
- ビジネス分野における顧客・得意先
- コンピュータ・ネットワークのクライアント 上記から派生した意味である。
クライアントは、クライアント・サーバシステムにおいて、サーバに対してサービスの依頼を行いその提供を受けるような、コンピュータまたはアプリケーションやプロセスのことをいう。サーバからサービスを受ける側を指す。
クライアントの例
[編集] 「クライアント」と「端末」の違い
『端末』という概念はホスト・ターミナルベースのネットワーク(例えば、IBMのSNA等)における、ホストコンピュータを遠隔地から操作する窓口を指すものである。『端末』自体はネットワークの中で独立した構成要素ではなく、ホストのネットワーク処理を享受する立場に徹する存在である。
一方、クライアント・サーバシステムというのは、UNIXワークステーションのネットワークシステムの中で誕生した概念である。ホストネットワークにおいてホスト機が行うネットワーク処理を、各一台の能力で成し遂げられるワークステーション間のネットワークはPeer to Peer(P2P)型から始まった。しかし、Peer to Peer型ネットワークはノードの数が増え、通信量が増大すると伝送効率が低下するため、ワークステーション同士の中で、役割分担をすることになった。たまたま奉仕する役(ホストネットワークにおけるホスト)になったマシンをサーバと呼び、奉仕を受ける役(ホストネットワークにおける端末)になったマシンをクライアントと呼ぶようになったのである。この役割は固定的なものではなく、状況次第で変わるものである。なぜなら、普段クライアントをしているマシンであってもサーバになりうるポテンシャルを常に備えているからである。
ところで、国立国語研究所による「外来語」言い換え提案において、以下のような記載がある。
『ネットワークでつながったコンピューターで,情報の提供を受ける側のコンピューターを指して「クライアント」ということがあるが,この場合は「端末」「端末機」「利用側のコンピューター」などと言い換えたり説明を付けたりすることができる。』
しかしながら、上記の理由によりクライアントを端末と言い換えるのは、言葉の内包する意味を完全に逸脱したものである。