ギア・アンティーク
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ギア・アンティークは、伏見健二が制作したスチームパンク風のテーブルトークRPG。1991年にツクダホビーより発売。その後、1999年に「ギア・アンティーク~ルネッサンス~」というタイトルで、伏見健二/F.E.A.R.著としてゲーム・フィールドより第2版が発売された。
我々の住む地球に良く似た地図を持つ異世界「遊星エルスフィア」のうち、法王ダ-マチャキの治めるマキロニー地方(ヨーロッパに相当)を舞台にしている。 時代背景は産業革命期をモチーフにしており、蒸気機関や飛行船といった無骨な機械と、開拓者精神を持った人々というエネルギッシュな設定が魅力である。
なお、同じ作者によるTRPGブルーフォレスト物語の舞台であるシュリーウェバもまた、同じくエルスフィアの一地方である。
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[編集] システム
[編集] 行為判定
ブルーフォレスト物語の判定システムをほぼ踏襲しD%が採用されているが、どんなに難しい判定の失敗でも覆すことのできる幸運の風という、独特でありながらも判りやすいルールがこのゲームのスパイスとなっている。幸運に頼りすぎるとしっぺ返しでひどい目にあうというルールも場を盛り上げる要素となっている。
[編集] キャラクター作成
多くのファンタジーRPGよりも背景世界の文明レベルが発展しているため、出自や才能だけでプレイヤーキャラクターの個性が決まらず、学歴を重ねることでデータを形作っていくというキャラクター作成方法が採用されている。後の「ギア・アンティーク~ルネッサンス~」ではさらに進んで、職歴・恋愛暦や引退年数、そして死亡時期までもキャラクター作成時に決めてしまうという珍しい方法になった。これについては、「キャラクター作成が最も面白い」という肯定的評価から「斬新過ぎてついていけない」という反発まで、賛否両論があった。
[編集] 拡張ルールなど
ツクダホビー版では、魔法語の単語を並べて呪文を創作するという特異な魔法ルールをサポートしたアート・アルケミー(1992)、各種戦車や兵器を取り揃えたスチーム・パレード(1993)という二つの拡張セットが発売された。それぞれ、蒸気自動車競走、鉄道列車の旅をテーマにしたキャンペーンシナリオが付属している。
また、イラストを担当した外薗昌也によるコミックス「ギア・アンティーク」「ギア・アンティーク2」が1992年にJICC出版局から発売されている。
ゲーム・フィールド版(「ギア・アンティーク~ルネッサンス~」)では、追加データ・シナリオ・リプレイを収録したエンドレス・エナジー(2000年)が発行された。