オラクルマスター
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オラクルマスター(ORACLE MASTER)とは、オラクル社が定めるデータベース認定試験のことである。 情報処理の資格の中では比較的ポピュラーで知名度もあり、関連書籍も数多く出版されている。
この資格はやや特殊で、単純に1つの試験に受かれば取得できるという訳ではなく、 取得条件に必要な資格を全て取得して、初めてオラクルマスターとして認定される。
以前はシルバー・ゴールド・プラチナの3つのみであり、どれも日本独自の試験であったが、 2003年10月の制度改正により、世界でも認められる資格となった。
2005年7月現在はOracle9iとOracle10gの試験を行っているが、ここではOracle9iの解説を行う。 なお、テスト名に添えてあるカッコ内の表記はテスト番号である。
[編集] 試験の概要
・オラクルシルバーフェロー(Oracle Silver fellow)
取得条件:SQL(1Z0-011J)、Oracle入門(1Z0-012J)の合格
オラクルのデータベースに関する基礎的な知識を問う試験。 「シルバー」という名前が入っているが、実際にはシルバーの1つ前という位置付けである。 シルバーフェロー以降の取得では、以下の3つの分野に分かれている。
・データベース運用/管理
シルバー取得条件:オラクルシルバーフェローの2試験、DBA I(1Z0-031J)の合格
ゴールド取得条件:上記シルバーの3試験、DBA II(1Z0-032J)、パフォーマンス・チューニング(1Z0-033J)の合格
プラチナ取得条件:上記ゴールドを取得し、実技試験での合格
主にデータベース利用者側の人に対する試験。 試験問題もデータベースに関する問題がほとんどである。
なお、以前のバージョン(Oracle7.3/8/8i)の資格取得者向けに、以下のアップグレード試験も用意されている。
Oracle7.3/8 プラチナ取得者→Oracle9i ゴールド:Oracle9i新機能(7.3Platinum及び8Platinum保有者限定)(1Z0-035J)
Oracle8i プラチナ取得者→Oracle9i ゴールド:Oracle9i 新機能(1Z0-030J)
・アプリケーション開発
シルバー取得条件:オラクルシルバーフェローの2試験、PL/SQLプログラミング(1Z0-147J)の合格
ゴールド取得条件:上記シルバーの3試験、Oracle9i Forms Developer(1Z0-141J)の合格
アプリケーション開発者向けの試験。 PL/SQLというプログラムに関する問題が出題される。
・サーバー運用/管理
シルバー取得条件:オラクルシルバーフェローの2試験、Oracle9iAS(1Z0-301J)の合格
アプリケーションサーバの基本的な操作を問う試験。 サーパーの運用・管理者向け。
[編集] 資格制度への指摘
まず、その試験料は高額で技術者の間では大変不評である。最高位のプラチナを取得するためには10万円単位の費用を要する。
さらに、せっかく高額な費用を費やして資格を取得しても、資格認定がバージョン毎となっているため、数年経ってバージョンが進むと資格が無い状態と同等になってしまう(バージョンアップ試験もあるが、これも決して安価ではない)。また上述の2003年の制度改定時に既存の資格取得者の資格ランクを1ランク格下げ(プラチナ取得者はゴールドに、ゴールド取得者はシルバーに、など)扱いとしたため、上位資格を取っても金のムダである、と考える向きが少なくない。