ウラン238
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ウラン238はウランの同位体の一つ。ウラン238は中性子が衝突するとウラン239となる。ウラン239は不安定でβ-崩壊しネプツニウム239になり、さらにβ-崩壊(半減期2.355日)しプルトニウム239となる。
天然のウランの99.284パーセントがウラン238である。半減期は4.46 × 109年。劣化ウランはほとんどがウラン238である。濃縮ウランは天然ウランよりもウラン235の濃度が高いものである。
ウラン238は核兵器や原子力発電と関係がある。兵器ではウラン238は核分裂を妨げるのでウラン238の割合が少なくなるよう努力が払われている。広島に投下された原子爆弾ではウラン235が80パーセント、ウラン238が20パーセントであった。
原子力発電においてはウラン238はプルトニウムを生成するのに使われる。プルトニウムは核兵器に使用できるほか原子力発電の燃料にも使用できる。