ウォッチドッグタイマー
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ウォッチドッグタイマー (watchdog timer) は、コンピュータのハードウェア時間計測器である。メインのプログラムがハングなどの不正な状態に陥ってしまい規則的なウォッチドッグ操作(「犬をなでる」とも呼ばれる「サービスパルス」の書き込み)が行なわれなかった場合に、システムをリセットする。ハングしたシステムを正常動作に戻すことを目的としている。
障害を引き起こした問題をデバッグするのに役立つ情報などを持続性の媒体に保存するとなると、ウォッチドッグタイマーはより複雑なこともある。この場合、最初のウォッチドッグタイマーがある時間内に情報の保存処理が完了したことを通知しなかった場合に、情報が保存されていてもいなくても、2番目のシンプルなウォッチドッグタイマーがシステムを確実にリセットさせる。ウォッチドッグタイマーが最も多く使われているのは組み込みシステムで、マイクロコントローラに内蔵されていることも多い。
また、制御システムを安全側に倒すためのトリガーとして使われることもある。たとえば、モーターや高電圧の電気出力やその他の潜在的に危険なサブシステムを、障害が解決するまで停止させておく、などである。
たとえば、 x-bit カウンタ で実装されているウォッチドッグタイマーが y MHz のクロックで動作しているシステムでは、タイマーがリセットされなければ 2x / (y×106) 秒後にシステムはシャットダウンする。