アンダカの怪造学
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アンダカの怪造学 | |
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ジャンル | 学園小説 |
小説 | |
著者 | 日日日 |
イラスト | エナミカツミ |
出版社 | 角川書店 |
レーベル | 角川スニーカー文庫 |
巻数 | 既刊4巻 |
『アンダカの怪造学』(アンダカのかいぞうがく)は、角川スニーカー文庫から刊行されている日日日のライトノベル作品である。イラストはエナミカツミ。第8回角川学園小説大賞〈優秀賞〉受賞作。
目次 |
[編集] ストーリー
遠い異世界・アンダカに住む生物たちを召喚し、利用する<怪造学>。その<怪造学>を研究する怪造学者(モンスティスト)となり、怪造生物と共存できる世界をつくることを夢見る少女・空井伊依(すかいい いより)。彼女はその夢を叶えるため、怪造学を学ぶ学校・古頃怪造高等学校の入学試験を受けるが…。
[編集] 登場人物
- 空井 伊依(すかいい いより)
- 本作の主人公。怪造学教授・空井滅作の娘。ただ一人《魔王》(ダーク・オズ)を怪造することができる怪造学者見習い(モンティスト・エッグ)。「怪造生物は友達」を信念とする。怪造生物と強い信頼関係を結ぶことができ、このため怪造生物の力を最大限に引き出すことができる。母方の姓は寂憐院(じゃくれんいん)。前向きな性格で時に傷つきながらも自分の理想である「怪物と人間が共存できる世界」の実現を目指す。
- 髪型のツインテールは母から受け継いだトレードマーク。
- 桃子(ももこ)
- 《雪童》(クールキューティ)という下級二位の怪造生物で、伊依の親友。上級一位の《鳳凰》(フェニックス)に焼かれてしまうが、魔王によって再構成・強化されたため上級一位の《零時鏡》(バロン・ヘロメロ)と戦えるほど強くなった。再生前は童女、再生後は雪女を思わせる美女の姿をしている。
- 空井 滅作(すかいい めっさく)
- 伊依の父。怪造学の進歩を百年早めた、世紀の天才など言われるほどの優れた怪造学教授(レイ・モンスティア)。三年前に《魔王》(ダーク・オズ)の改造に失敗して死亡。現在では伊依の首に掛かっているドクロの首飾りの形をした呪いのアイテム、実は怪造生物(モンスター)となっている。伊依に《魔王》を怪造させるために首飾りになったはずだったが、1巻で伊依が《魔王》を怪造してからも死んでいない。怪造学会の元執行部部長。現部長の爆川嫌凪に、オッサンと呼ばれている。傲岸不遜な性格で、普段は伊依をけなしているが本当は心配している。
- 魅神 香美(みかみ かみ)
- 伊依の親友。中級一位を怪造できる優秀な生徒。趣味は腐乱死体。かなりマイペースな性格だが、友人思い。かなりのナイスバディの持ち主。伊依から「カービィちゃん」と呼ばれているが、そういわれるたびに訂正している。
- 宇宙木 氷蜜(うつき ひみつ)
- 古頃怪造高等学校の校長であり怪造学会の教育部長。怪造学教授(レイ・モンスティア)になるための試験で怪造した上級一意の怪造生物(モンスター)《氷雪舞姫》(ヘルシャーベット)の制御に失敗し呪われる。このとき取り憑いた《氷雪舞姫》に常に体温を奪われ続けているため、室温が50度を超えるような暖房をしていなければ耐えられないほどの極端な寒がり体質になっている。
- 戦橋 舞弓(たたかはし まいゆみ)
- 白髪赤目の侍少女。刀を常に持っている。身体能力が飛び抜けて高く、怪造生物と普通に戦っている。刀の銘は「朧武朧(おぼろぶろう)」。呪文によって形を変えられる。舞弓曰く怪造剣。実は物造らしい。怪造はできない。扉破りの常習犯。
- 陸戦坂家で育てられ、義兄の砲矢のような「天使」になることを目指している。《虚無大公》となにか関わりがあるらしい。
- 一本気な性格で、頭より身体を使うほうが得意な肉体派。結構繊細なところもあり、義兄や実母のことに触れられると動揺する。
- 仇祭 遊(あだまつり ゆう)
- 伊依の幼馴染。伊依の異父兄の息子で、伊依の血の繋がらない甥でもある。(母親の連れ子なので)寂憐院家で孤独だった幼い頃の伊依に怪造学の楽しさを教えた。肉体道楽(ヴェクサシオン)という怪造生物に化け物の右目を埋め込まれて以来、「怪造生物は危険であり人間はアンダカから離れなければならない」という考えを抱き、自身が所属していた亜玉怪造高等学校を崩壊させる。
- 転校先の古頃で伊依と再会、彼女を怪造学から遠ざけようとするが逆に自分の暴走を止められた。
- 人をからかうのが好きという困った性格をしている。伊依のことを大事に思っており、あらゆる危機から守ろうと決めている。
- 蟻馬 地獄(ありま じごく)
- 古頃怪造高等学校の教員を務める怪造学者。“天才”として入学試験に合格した伊依を妬み、嫌がらせを仕掛けるが、逆に励ましとして受け取られている。
- 錬ノ島 了信(れんのしま りょうしん)
- 古頃怪造高等学校の第3倉庫に住む怪造学者。怪造した《鳳凰》に上半身を食いちぎられ死亡する。
- 妖森 吉音(あやかしのもり きつね)
- 倉波 無楽(くらなみ ならく)
- 古頃怪造高等学校の倉庫Bを改造した研究室に住み、呪具の製作を専門とする怪造学者で、戦橋舞弓と陸戦坂砲矢の古くからの友人。善(梅子)と悪(イーヴィル)に分離させた《愛天使》を使い世界を滅ぼそうとするが、伊依と舞弓により阻止される。
- 闇宮 影文(やみみや かげふみ)
- 空蝉寮に住む謎の少年で血影の弟(という設定)。実は《虚無大公》という怪造生物。
- 闇宮 血影(やみみや ちかげ)
- 古頃怪造高等学校の寮のひとつである空蝉寮~君が人形になる前に~の寮母で影文の姉(という設定)。コーンスープに味噌汁の素や蜂蜜を入れたりおにぎりにアーモンドを入れたりと意味不明な料理を作る。
[編集] 怪造生物
- 《鳳凰》(フェニックス)
- 「生と死を分かつ怪造生物」の異名をもつ上級一位の怪造生物。まばゆい光に包まれた美女のような姿で、近づくものすべてを焼き尽くす炎そのもの。他の怪造生物の発言により存在が認知され、同時に《禁忌怪造生物》(タブー・モンスター)に指定されるが、錬ノ島了信が怪造するまで、だれにも存在の確認されない、いわば幻の怪造生物だった。異名のために、死者を復活させる能力があるのように思われることもあるが、実際はあまりに危険すぎるためにつけられた異名に過ぎない。
- 《魔王》(ダーク・オズ)
- 「《虚界》(アンダカ)の支配者であり《虚界》そのもの」と恐れられる上級一位の怪造生物。当姿は闇そのもので、他のどの怪造生物よりも高い戦闘能力を持つ。
- 《氷雪舞姫》(ヘルシャーベット)
- 「雪と氷の支配者」の異名を持つ上級一位の怪造生物。怪造した宇宙木氷蜜に取り憑き常に体温を奪い続けている。
- 《雪童》(クールキューティー)
- 《愛天使》(シャリテコラール)
- 《癇癪蜥蜴》(オコリンボウ)
- 《火蜥蜴》(サラマンダー)
- 《火の粉》(フレイムチャウダー)
- 《木霊》(メガオン)
- 《闇紡ぎ》(スポットナイト)
- 《疫病神》(クラヤミオンナノコ)
- 《蒐集冥王》(コレクトプルートー)
- 《虚無大公》(ゲームオーバー)
- 《肉体道楽》(ヴェクサシオン)
[編集] 既刊一覧
アンダカの怪造学 第一部 I~III巻。第二部 IV~
- I ネームレス・フェニックス ISBN 404481001X
- II モノクロ・エンジェル ISBN 4044810028
- III デンジャラス・アイ ISBN 4044810036
- IV 笛吹き男の夢見る世界 ISBN 4044810044
- V 嘘つき魔女の見つめる未来 2007年1月発売予定