アメリカ合衆国上院
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アメリカ合衆国上院(~がっしゅうこくじょういん)は、アメリカ合衆国議会を構成する議院の一つ。
正式な名称は合衆国元老院(英United States Senate,(略称)Senate)で、古代ローマの Senatus(元老院)にちなんで命名された。
旧議事堂(現在の独立記念館)において、二階を議場としたことから「上院(英The Upper House)」という一般名称の語源になった。
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[編集] 歴史
元々アメリカ合衆国は共和政ローマを理想としていたこと、アメリカ合衆国上院は当初各州政府の任命制であって有徳有識の人材が選ばれることが期待されていたことなどから、憲法制定で二院制を採用したとき素直に元老院という名称が採用された。
[編集] 構成
上院議員の定数は各州あたり2名ずつの100名で、任期は6年間である。2年ごとに全上院議員の3分の1ずつ改選される。選挙制度は各州を選挙区とする単純小選挙区制。選挙権は18歳以上。被選挙権は30歳以上、9年以上合衆国市民であり、選挙時に選出州の市民であること。
[編集] 権限
弾劾裁判権、条約の承認権、人事承認権は下院には認められておらず、上院のみが単独で行使できる権限である。ただし、予算及び関連法案については下院に先議権が認められている。
- 立法権
- 弾劾裁判権
- アメリカ合衆国の項参照。
- 条約の批准承認権
- 大統領から送付された条約を出席議員の2/3の賛成によって批准する。条約の条項を修正、若しくは批准に条件を付けることもできる。
- 大統領指名人事への承認権
- 大統領が指名した大使等の外交使節、領事、最高裁判所長官及び判事、各連邦行政機関の長官、副長官、次官等の官僚、軍の将官ポストについて審議し、助言と承認を行う。
[編集] 役職
- 上院議長(President of the Senate)
- 副大統領が上院議長を兼任する。そのため上院仮議長が常設される。上下両院合同本会議が開かれるときは下院議長と共に共同議長を務める。
- 上院仮議長(上院議長代行、President Pro Tempore)
- 上院議員の互選によって選出され副大統領に代わって職務を執行するよう規定されているが、実際には多数党の最長老の上院議員が就任する名誉職となっている。そのため上院議長代行代理がおかれる。大統領権限継承順位は下院議長に次ぐ第3位である。
- 上院議長代行代理(Acting President Pro Tempore)
- 上院仮議長によって上院議員の中から指名される。任期は1議事日以内。
- 上院多数党/少数党院内総務(Senate Majority/Minority Leader)
- 上院多数党/少数党院内幹事(Senate Majority/Minority Whip)
[編集] 委員会
連邦議会は委員会制をとっており、本会議の下に常任、特別委員会が設置されている。委員会の下にさらに小委員会が設置される。毎会期の初めに上院決議によって委員が任命される。常任、特別委員会及び附属する小委員会は多数党が委員の過半を占める。従って(小)委員長職は多数党が独占する。 各(小)委員会は必要に応じて、公聴会を開催し関係者を証人として召喚する権限を持つ。
- 常任委員会(Standing Comitte)
1.本会議から付託された議案、及び委員から提出された議案について審議する。審議後は投票を行い、結果を本会議に報告する。 2.連邦機関、及びその活動を監視し、無駄、腐敗等を追及する。
- 特別委員会(Special, Select Comitte)
上院決議によって設置される委員会。委員数、権限等は上院決議によって定めらている。
- 上下両院合同委員会(Joint Comitte)
上下両院合同決議によって設置される委員会。上院議員と下院議員の委員数は同数で委員長職は上院議員と下院議員が交互に務める。委員数、権限等は上下両院合同決議によって定めらている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 英語