アブドル・アルハズラット
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アブドル・アルハズラット (Abdul Alhazred) は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの一連の小説に登場する奇書「ネクロノミコン」の著者とされる架空の人物。鬼神論者または妖術師である。伝説のアイレムと呼ばれる円柱都市やアラビア南部の砂漠にある無名都市の地下で、地球の先祖たちの秘密の年代記を発見した等と信じ固い言動が多かったため、狂えるアラブ人、狂える詩人と呼ばれることもある。アブドゥル・アルハザードとも。
ウマイヤ朝の時代にイエメンのサナアで活躍したとされ、ムスリムであったがイスラームやコーランの教えには関心を持っておらず、ヨグ=ソトースやクトゥルフ等の旧神を信奉していた。
失踪したとも、衆人環視の広場の真ん中で白昼、見えない怪物に全身を喰い千切られて死んだとも言われており、一般的には730年、ダマスクスの市場の中で白昼、見えない怪物に頭から貪り食われて血痕しか残らなかったと伝えられている。
後に、ラブクラフトの友人であったオーガスト・ダーレスが中心となって体系化されたクトゥルフ神話にネクロノミコンとともに度々言及される。
この「アブドル・アルハズラット」と言う名前は少年時代アラビアンナイトを読んでアラブ人になりたがったラヴクラフトがある大人に付けてもらったものである。ラヴクラフト自身は誰に付けもらったかは忘れてしまっているので誰が付けたかはわからない。