アナモルフィック・レンズ
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アナモルフィック・レンズ(anamorphic lens)は、映画フィルムでワイドスクリーンを撮影・再生するための特殊なレンズ。円柱レンズともいう。
カメラに取り付けられたアナモルフィック・レンズはワイドスクリーンの幅の映像をほぼ半分のサイズに圧縮・縮小し、標準的な35mmフィルムのフレームにフィットさせる。この時のフィルムの画像は縦長になっている。
映写機にとりつけられたアナモルフィック・レンズは圧縮していたものを、元のサイズに戻して拡大し(スタンダードの画面サイズ縦横比1:1.33に代わる1:2.35のアスペクト比をもったワイドスクリーン映像として映写する。
元来は、フランス人アンリ・クレティアンが第一次世界大戦のとき、軍事目的で開発したものであり、1952年に20世紀フォックスがそのシステムの権利を買い取り、シネマスコープとして商業的に発展させた。『聖衣』(ヘンリー・コスター監督、1955年)は最初にこのシステムを用いた映画である。
2つ以上のカメラや特殊な装置を使用する初期のワイドスクリーン・システムに対して、アナモルフィック・システムの大きな強みは、通常の35mmのカメラと映写機を用いても、特殊なレンズさえ用意すれば良い点にあった。別のスタジオでも、それぞれ独自のアナモルフィック・システムあるいはスコープ・システムが発展した。