アイ・アム・ザ・ウォルラス
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アイ・アム・ザ・ウォルラス (I Am the Walrus ("No you're NOT!" Said Little Nicora)) は、イギリスのロックバンド、ビートルズの曲。作曲はジョン・レノンで、ビートルズの曲の中でも特にハードかつサイケデリック色の強いナンバー。発表当時、音楽関係者に大きな影響を与えた楽曲でもある。 1967年11月24日発売のシングル「ハロー・グッドバイ」のB面曲として発表。アメリカでは56位。
同年12月に公開されたテレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」に演奏シーンが収められ、同名サウンド・トラックEP盤(英国)、LPアルバム(米国)に収録。現在では米国版に倣った編集版CD『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録されている。映画ではビートルズのメンバーがサイケな格好をしたり、セイウチの着ぐるみを着て演奏するシーンで使われている。
サイレン風のイントロはジョンのエレクトリックピアノ。オーケストラやコーラス、BBCのラジオ放送音声などのSE(効果音)が加えられ、徹底してサイケなアレンジが施されている。
ナンセンスな言葉遊びとも思える難解な歌詞も特徴である。タイトルのウォルラス(セイウチ)はルイス・キャロル作の物語「鏡の国のアリス」の「セイウチと大工」からとられたもので、歌詞の "GooGooGooJoob" は "Good Job" とセイウチの鳴き声をかけたものと言われている。
ビートルズ解散直後の1970年のジョンのソロ曲「ゴッド( God )」では「I was the Walrus But now I'm John」と歌われ、ウォルラスにビートルズ時代の自分をなぞらえている。 ちなみに、ジョンは1980年のインタビューでこの曲を再録音したいと答えていた。
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[編集] ミキシング
モノラル・ミックスとステレオ・ミックスとではミキシングによる差異がある。顕著な差異は"I'm crying"と歌われる個所で、モノラルではスネアがカットされているが、ステレオではカットされていない。またステレオ、モノラルそれぞれに、イントロのリフが4回のミックスと6回のミックスが存在し、"I'm crying"と"yellow matter custard"の間が1小節長いミックスも存在する。
なお、ステレオ・ミックスの"Sitting in the English garden"という歌詞から先の部分はモノラル・ミックスを疑似ステレオ化したものである。理由として、モノラルのミキシングを行った際にその場で流れていたBBCのラジオ音声をマルチトラック・テープではなくモノラル・マスターにオーバーダブしたためである。ビートルズのマッシュアップ作品として2006年11月に発売されたLOVEでは、後半部分も完全なステレオとしてリミックスされている。
[編集] カバー
- レッド・ウォーリアーズ: ベストアルバム「RED SONGS」に収録
- オアシス: Bサイドコンピレーションアルバム「THE MASTERPLAN」に収録
- 斉藤和義: Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ2006