のたり松太郎
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のたり松太郎(のたりまつたろう)は、ちばてつやの漫画作品のひとつである。
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[編集] 概要
人並みはずれた怪力を持つ大男・坂口松太郎が力士として出世していくストーリーを中心に、相撲部屋の日常や力士達の一喜一憂を描いた作品である。小学館のビッグコミックにおいて1973年8月~1993年6月・1995年10月~1998年5月と合計20年を越え連載、ちばの作品の中では他に類を見ない超長編である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
物語は、主人公・坂口松太郎が角界入りしてから力士として出世し、憧れの教師・南令子と結婚するまでの前編と、松太郎の弟弟子・田中清の活躍を中心とした後編に大分される。
[編集] 登場人物
[編集] 全編を通じた登場人物
- 坂口松太郎
- 本作品の主人公。九州・長崎県にある廃坑の町で生まれる。3年も留年した中学校で出会った女教師・南令子に憧れ、令子の近くに住みたいがために相撲部屋・雷神部屋に入門する。相撲未経験者としては前代未聞の幕下付け出しでデビューするが、傍若無人な性格で兄弟子たち相手に大乱闘を起こし雷神部屋を破門になる。後に移籍した伊勢駒部屋で怠けながらも出世し、関取・荒駒となる。
- 田中清
- 秋田県出身。松太郎より一足先に雷神部屋に入門していたが、体と気が小さいためなかなか出世できずにいた。極度の酒乱であり、普段は内気で無口だが酒を飲むと人柄が豹変する。大阪での場所時に松太郎と酒を飲んで門限を破ってしまったために宿舎から締め出され、激昂。二人は大暴れして兄弟子たちと大乱闘。このため、雷神部屋を破門され同門の伊勢駒部屋に移籍。その後、たびたび酒で失敗しながらも松太郎の後を追うように出世して、関取・駒田中となる。
- 南令子
- 松太郎の通う中学校で教鞭をとっていた女教師。酒に酔った松太郎に狼藉を働かれ、出身地の東京・両国に帰る。その後第三者と婚約するが破局。数年後に松太郎と再会、その幕内優勝を機に結婚。実家は材木店を営む。
- 西尾勝也
- 松太郎と同じ町に住む初老の男。長年炭鉱労働者として働き、炭鉱の閉鎖後は松太郎と組んで廃坑から集めた屑炭を金に換えて暮らしていたが、角界入りした松太郎を頼って上京、伊勢駒部屋に居候し雑用係をつとめる。博打好き・酒好き・女好きのだらしない性格だが、若き日に原子爆弾で妻子を失ったという過去を持つ。
- 阿久津五郎
- 松太郎や田中の後に伊勢駒部屋に入門してきた弟弟子。兄は暴力団幹部、自身も少年院上がりの経歴を持つ。しかし、相撲と出会って更生。後に順調に出世を重ねる。後編では関取・駒ヶ嶽となる。
- 伊勢駒親方
- 雷神部屋を破門になった松太郎の素質を惜しみ、雷神一門で自らが構える「伊勢駒部屋」に田中ともども引き取った。家族は妻と娘一人。現役時代の四股名は「猪ノ川」。心配性な性格ですぐに気絶する。
- 青木
- 島田
- 松太郎の担任。勉強せず、働かず、やりたい放題の松太郎に手を焼きながらも、退学となった松太郎の就職先を探したりなど親身に世話をした。松太郎が角界入りした後も応援し続けるが、後編では癌に侵されてしまう。
[編集] 主に前編に登場する人物
- 雷神親方
- 九州に巡業していた際、人並みはずれた怪力を持つ大男・松太郎に出会い、角界にスカウトする。しかし、松太郎のあまりの乱暴狼藉ぶりに手を焼き、ほかの弟子たちを乱闘で大怪我させたのを機に田中とともに破門する。
- 猪ノ川
- 雷神部屋の部屋頭。関脇。四股名は伊勢駒親方から継いだ。新弟子・松太郎の乱暴振りに、雷神親方とともに苦悩する。
- 滝ノ川
- 雷神部屋に所属する十両。弟弟子・松太郎を快く思わず、何かにつけて嫌味をいい松太郎を挑発する。後に怪我で引退後は一転して松太郎にアドバイスを与えたりした。
[編集] 主に後編に登場する人物
- 辻
- 松太郎の何代目かの付き人。格闘技好きでK-1ファイター志望だったが、幼い頃のヒーローだった松太郎に憧れて伊勢駒部屋に入門した。
- タク
- 松太郎・令子夫妻の一人息子。本名不明。
- マリ
- 本名、下村由美。青木が通うスナック「ポロ」のホステス。田中に「優勝したら結婚する」と冗談で告げたために、真に受けた田中は奮起して快進撃を始める。令子の元教え子でもある。