つんぼ石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つんぼ石(-いし)は、愛知県尾張旭市城前町にある史跡(南無阿弥陀仏と刻まれた1メートル大の石)である。
江戸時代初期、名古屋城築城の際にこの石を石垣に使う目的で運んでいたところ、この地で荷車から落としてしまった。石がどうやっても荷車に戻らないので焦った大名が,村人に固く口止めを命じ、村人は役人に石のことを尋ねられてもつんぼのふりをして何も話さなかった。そこからこの名がついたという伝説がある(「過失で落とした」を「故意に廃棄した」とするバリエーションが存在する。また口止めを依頼する側についてもいろいろなパターン~名古屋城普請奉行の加藤清正を名指しするものから運搬の責任者である武士まで~が存在するようである)。また、耳の病に霊験があるとの伝承も存在し、最近まで小石を供えて願をかけたという。
もともと存在した場所は、徳川義直の廟所がある定光寺・美濃方面へ続く殿様街道と飯田街道の分岐点であり、土中に埋まっていた部分に刻んであった文字などから実際に美濃から運ばれた石であろうと推測されている。現在は区画整理事業のため近隣の民家の庭先に移設された(分岐点でつんぼ石の傍らにあった石の道標・石の由来を説明する立て札も同所に移設されている)。
ちなみに、1905年の瀬戸自動鉄道(現在の名鉄瀬戸線)の開業時、この石の近くに聾石駅が開業している。同駅は1942年に旭前駅の開業により廃止(実質的に移転改名)されている。
[編集] 外部リンク
- 石頭逍遥―つんぼ石― - 移設先の地図へのリンク(ページ先頭のボタン)あり
カテゴリ: 歴史関連のスタブ項目 | 愛知県の史跡 | 伝説 | 尾張旭市