Syrup 16g
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Syrup 16g | |
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出身地 | 東京都 |
活動期間 | 1996年- |
ジャンル | J-ROCK |
レーベル | TiNSTAR RECORDS (1999年~2001年) DAIZAWA RECORDS (2001年~2002年) コロムビア (2002年~2004年) DAIZAWA RECORDS (2004年~) |
メンバー | 五十嵐隆(Vo&G) 中畑大樹(Dr) キタダマキ(B) |
旧メンバー | 佐藤元章(B) |
Syrup 16g(シロップじゅうろくグラム)は、2002年、コロムビアからアルバム「coup d'Etat」でメジャーデビューしたスリーピースロックバンド。初期のメンバー(キタダマキ除く現メンバーおよびベースの佐藤元章)は全員日本工学院専門学校出身。熊谷昭率いるキークルー所属。バンド名の”syrup”は「ぬるいままで好きな音楽を好きなだけやろうっていう、そういう意味を込めて(中略)・・・甘いシロップ(咳止め用の)が俺は大好きで、シロップって言葉が頭の中で、快楽的なものと直結して」名づけたと五十嵐談。"16g"は、バンド名を検討していた店(ミスタードーナツ)でのコーヒーのシロップの量が16gだったことに由来するらしい。
生と死、神、終わりなき退屈な日常、青春の終焉といった重いテーマを歌い上げるその姿勢は日本の音楽シーンに於いて重要な位置にいると言える。
2004年以降、音源リリースは途絶え、ライブ活動がメイン。2006年8月、未発表音源を含むベスト盤「動脈」「静脈」発売。
目次 |
[編集] メンバー
- 五十嵐隆(ボーカル&ギター)1973年6月1日生まれ。作詞/作曲を手がける。埼玉県浦和市(現:さいたま市)出身、同県立浦和高校卒業。血液型はB型。あごに蓄えたヒゲが特徴。色白。ライブ中によく左足を上げるため、一部のファンからは”黄金の左”と呼ばれているとかいないとか。愛称はがっちゃん。
小学校時代は足が速く、自身曰く人生で一番輝いていた時期らしい。(ちなみにこの一連の発言中に「ごぼう抜き」の使い方を間違える)一方、優等生の自分から現実逃避するためか、音楽に没入する。主に当時流行の洋楽(REOスピードワゴン、ホール&オーツ、ビリー・ジョエル、マイケル・ジャクソン等)を1日3~6時間、聴いていたとのこと。
高校は地元でも有名な進学校へ。初めてギターを買い、幸せを感じるが、学祭後の飲酒で停学になった際、教師の対応に嫌気が差し、勉強しなくなる。大学浪人中に祖父母とバリへ旅行に行き、現地音楽ケチャに衝撃を受け、一気に「いいや」とタガが外れ帰国後は引きこもりに。その後、音楽専門学校に行き、中畑と出会う。一時エンジニアを目指し、持っていたギターや機材を売り払うが、「嫌いな音楽にも(仕事として)対応しなければならないのがきつい」とエンジニア就職を諦める。バイトをしつつバンドを始めたのが、のちにsyrup16g結成の契機に。
どうも上手く喋るのが苦手らしく、ライブ中にも素っ頓狂な発言などを連発している。ラジオなどにもたまに出演するが、よく「すいません」を連発して番組の司会者を困らせている。 内省・諦観的でときに抉り突き放すように、絶望と希望を歌い上げる歌詞は、一部のファンから中毒的ともいえる支持を受け、同じ理由でファン以外には遠ざけるものもある。ファン層の分かれるアーティストといえる。漫画が好きで、小林よしのりの戦争論や柏木ハルコの花園メリーゴーランドがお気に入りである。 ライブでカッコつけようとすると、何かミスをしてしまう事が多い。
BUMP OF CHICKENやスピッツ、ART-SCHOOL、GRAPEVINE、NUMBER GIRL、Good Dog Happy Men、MO'SOME TONEBENDERといったバンドと親交がある。音楽雑誌でレミオロメンの藤巻亮太は他人に曲を書いてもらうならSyrup16gに、と熱望し、同じインタビューでMr.Childrenの桜井和寿もRebornという曲が大好きだと語っている。ACIDMANの大木伸夫らとは一時期、対立関係にあったが現在は和解し、共に旧友であるBUMP OF CHICKENのライブに訪れるなど、むしろ親交を深めているようだ。
大規模なアリーナライブ等を好まず、武道館でライブする時は死ぬとまで語っていた。その為に、ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のNANO-MUGEN FESのオファーを蹴ってしまった。
2004年頃まではGibsonのSG'61 Reissueを使用していたが、現在はVAN ZANDTのストラトタイプを使用している。
豪快なドラムと精神で五十嵐を音楽、精神の両方で支えている。髪型がよく変わるので有名。細身の体に似合わず声が大きい。ライブ中によく大声で叫び、よく上半身裸になる。長年のバンド仲間だが、五十嵐がどこに住んでいるか連絡先をよく知らないらしい。マメな性格で、ファンへの対応も良い。メンバーの誕生日には祝福のメールを送っている(が、五十嵐もキタダも、返事を返したことが無い)
2005年の9月、大阪でのライブで新曲中心のライブ中に五十嵐のギターの弦が切れるトラブルが起こり、急遽、五十嵐がサブギターで過去のアルバムの曲を演奏し始めるが、途中で中畑が突然演奏を止めてしまう。突然の出来事に会場がどよめく中、一言「気が乗らない」といい、その後ファンサイト等で様々な憶測が流れた。しかし、真相はそのツアーは新曲で勝負したかったので、過去の曲を一切廃したかったという思いから出た発言であると知り、多くのファンを納得させた。なお、動揺する客に五十嵐は「(ナカハタは)最近反抗期なんだよ」と言って和ませた。
現在、元ZAZEN BOYSアヒトイナザワの在籍するVOLA & THE ORIENTAL MACHINEというバンドに無期限貸出しという形でドラムで参加している。 愛称はナカハタ、だいきちゃん、なかはたいこ等。
大学時代、60's Mod's(The Kinks,The Who,The Small Faces) 等に熱中。その延長で参加したモッズ系バンドでR&B、ソウルミュージックに傾倒。堀江博久(NEIL&IRAIZA)らとともに活動したバンド、STUDIO APESがEL-MALOの1stアルバム・セッションに参加したのを皮切りに、 その卓越したベースプレイを求められ、コーネリアス、ゆず、salyu等のさまざまなミュージシャンや小泉今日子、メロン記念日などのアイドルのレコーディングでベースを弾いてきたベテラン。現在はサポートとして参加しているが、実質正式メンバーのようになっている。前ベースの佐藤氏がパワーを売りにしていたのに対し、キタダ氏は自身の存在感をアピールしつつも、バンドの音楽全体で見ると安定したプレーで支えている。愛称マキリン。ライブ中はMCでも一切喋らない。が、「UP TO THE WORLD #2 動脈」では中畑に誕生日を聞く場面も。
- 過去のメンバー
- 佐藤元章(ベース)神奈川県出身。血液型はB型
初代ベーシスト。五十嵐、中畑とは専門学校で知り合った。バンドを結成するまで楽器に触った事が無く、バンドを結成してからベースを覚えた。 スキンヘッドのビジュアルとパワーのある演奏で人気だったが、2002年6月をもって脱退。当時、脱退理由について正式なコメントがなく波紋を呼んだが、2004年のインタビューで、「腰が悪いため、腰でリズムを取るリズム隊としては致命的なものがあり、心を鬼にして」の脱退だったと五十嵐が明かした。
[編集] 作品
[編集] テープ
- Syrup16g01(1999.12.15)
- Syrup16g02(1999.12.15)
[編集] アルバム
- Free Throw(1999.12.25)(TiNSTAR RECORDSより) 廃盤
- COPY(2001.10.05)(代沢レコードより)
- coup d'Etat(2002.06.19)
- delayed(2002.09.25)
- HELL‐SEE(2003.03.19)
- Mouth to Mouse(2004.04.21)
- delayedead(2004.09.22)
- 動脈(2006.08.25)※ベストアルバム
- 静脈(2006.08.25)※ベストアルバム
[編集] シングル
- パープルムカデ(2003.09.17)
- My Song(2003.12.17)
- リアル(2004.03.24)
- うお座(2004.04.07/タワーレコード限定発売)
- I・N・M(2004.04.07/新星堂限定発売)
[編集] DVD
- BLACKSOUND/BLACKHUMOR(2004.06.02) 廃盤
- 遅死10.10(2005.01.26)
[編集] 曲エピソード
『水色の風』では、BUMP OF CHICKENのボーカル藤原基央がコーラスで参加している。
『テイレベル』では、五十嵐が通っていた男子校での高校生活を歌っている。
『根ぐされ』と『遁生』(エレファントカシマシのトリビュートアルバムに収録)は、五十嵐の自宅の風呂場で、中畑とともに近所の騒音苦情にびくびくしながらレコーディングしたもの。
『リアル』では、bloodthirsty butchersの吉村秀樹がフィードバックギターで参加している。
イラク戦争への怒りをぶつけたのが、彼らにとって初めてのシングル曲である『パープルムカデ』で、この曲はオリコンデイリーチャート初登場9位に輝いた。
『ハミングバード』という曲で歌われている40万のギブソンのアコギというのは、この曲のタイトルでもあるハミングバードというギターの事である。