スピッツ (バンド)
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スピッツ | |
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出身地 | 日本 |
活動期間 | 1987年~ |
ジャンル | J-ROCK J-POP |
レーベル | ポリドール (1991年~2001年) ユニバーサルJ (2001年~) |
メンバー | 草野マサムネ (ボーカル、ギター) 三輪テツヤ (ギター) 田村明浩 (ベース、リーダー) 崎山龍男 (ドラムス) |
スピッツ (SPITZ) は、日本のロックバンドである。1987年に結成。
『ロビンソン』や『チェリー』『空も飛べるはず』などの多くのヒット曲を持つ。
また、2006年度オリコン好きなアーティストランキングには2位に選ばれ、男女を問わず、子供から大人までの広い年代層に愛されるアーティストに成長した。
目次 |
[編集] メンバー
- 福岡市出身 福岡県立城南高等学校・武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業
- 静岡県藤枝市出身 静岡県立藤枝東高等学校卒業・東京造形大学中退
- 栃木県佐野市出身 栃木県立佐野高等学校・文化服装学院卒業
[編集] 概要
- バンド名の由来は、ドイツ語で「尖っている」「辛らつな」という意味を持つ「spitz」(最初期はチーターズだった)。これは結成当初、パンク・ロックバンドであったことを物語る。草野の好きだった「s」に「p」が続く語呂をつかった単語(「special」や「crispy」など)を、草野が辞書片手に探したとも言われる。昭和時代に人気があった「キャンキャンと無駄によく吼える」愛玩犬種日本スピッツもバンドイメージに合ったらしい。
- スピッツのファンクラブ名「spitzbergen(スピッツベルゲン)」は、北極海に実在するノルウェーの島の名前「spitsbergen」からとられた。
- メンバー全員が美術系学校に在籍経験を持つ。草野と田村は東京造形大で同級生(草野は後に東京造形大を退学、武蔵野美大に編入学する)、また、田村と三輪は中学校の同級生である。
- 草野のボーカルは温かく優しい印象を与え、一般的に癒し系ポップスとされるが、ファンの一部では「奇跡の魔法」とされる、表裏あるバンドでもある。実際、シングルリリースされていないアルバム収録曲やカップリング曲には、一般的にスピッツらしいと認識されているポップス色の濃い作品でなく、個性の強い作品が点在する。草野の言葉を借りれば、スピッツは「ロックフリーク」であり、彼らのアイデンティティはあくまでもロックバンドらしい。表は真面目な優等生、裏は妄想炸裂の天邪鬼少年と言ったところである。こうした彼らの原点はデビューアルバム『スピッツ』に色濃く表れている。
- ヒット曲を量産する正当なメジャーバンドとされる事には常に抗う。メンバーはあくまでも時代の流れに対抗した「『邪道』でいたい」と語っており、草野はインタビューで「自分たちの音楽を『王道ポップス』なんて言われると『それは絶対に違う』」と語る。
- ライブは基本的に、コンサートホール以上の会場では、単独公演を行なわないことをポリシーとしている。これは、シングル「ロビンソン」でブレイクした後のコンサートツアーで、草野自身が「武道館では、ライブをやる気が無い。」とステージで公表した為。尚、本人はこの発言について、「やりたくないとは言ったけど、今はやりたくないだけであって、今後一切やらない、とは言ってない。」との発言もしているので、機会があればアリーナ以上の会場でも公演を行なうかもしれない。
[編集] 略歴
- 3月25日 - インディーズアルバム『ヒバリのこころ』から、シングル『ヒバリのこころ』、オリジナルアルバム『スピッツ』でポリドールよりメジャーデビュー。
- 6月25日 - 2ndシングル『夏の魔物』発売。
- 10月25日 - 3rdシングル『魔女旅に出る』発売。アルバムの先行シングルとして発売された。
- 11月25日 - 2ndオリジナルアルバム『名前をつけてやる』発売。
- 4月25日 - 初のミニアルバム『オーロラになれなかった人のために』発売。
- 8月26日 - 4thシングル『惑星のかけら』を発売。
- 9月26日 - 3rdオリジナルアルバム『惑星のかけら』を発売。
- 11月26日 - 5thシングル『日なたの窓に憧れて』をリリース。
- 7月25日 - 6thシングル『裸のままで』を発売。この曲からプロデューサーがつく。
- 9月26日 - 4thオリジナルアルバム『Crispy!』を発売。アルバムでは初のオリコンチャートインを記録した。
- 10月25日 - 7thシングル『君が思い出になる前に』発売。『Crispy!』からのリカットとしてリリース。シングルでは初のオリコンチャートイン。
- 4月25日 - 8thシングル『空も飛べるはず』発売。
- 7月20日 - 9thシングル『青い車』発売。
- 9月21日 - 5thオリジナルアルバム『空の飛び方』発売。
- 10月26日 - 『空の飛び方』からのリカットとして、10thシングル『スパイダー』発売。
- 4月5日 - 11thシングル『ロビンソン』発売。初のオリコンチャートTOP10入りを果たし、160万枚を超えるヒット。最大のヒットシングルとなる。1995年年間9位、歴代でも59位の売上。
- 4月26日 - 初のビデオクリップ集『ソラトビデオ』発売。
- 7月7日 - 12thシングル『涙がキラリ☆』発売。『ロビンソン』同様、大ヒットとなる。
- 9月20日 - 6thオリジナルアルバム『ハチミツ』発売。アルバムでは初のミリオンヒット。
- 2月 - フジテレビのドラマ「白線流し」の主題歌になったことをきっかけに、1994年に発表された『空も飛べるはず』がリバイバルヒット。143万枚の大ヒットとなる。
- 4月10日 - 13thシングル『チェリー』発売。タイアップなしでミリオンセールスに。1996年年間4位で、売上は161万枚。
- 9月9日 - 14thシングル『渚』発売。約84万枚の売上。この頃からバンドとして一躍有名になる。
- 10月10日 - 初のライブビデオ集『JAMBOREE 1』発売。
- 10月23日 - 7thオリジナルアルバム『インディゴ地平線』発売。
- 1月29日 - 15thシングル『スカーレット』発売。
- 4月23日 - 16thシングル『夢じゃない』発売。1993年発売のアルバム『Crispy!』に収録されているが、テレビ朝日系ドラマ「ふたり」の主題歌となったため、急遽シングルカットとなった。
- 7月7日 - ビデオクリップ集第2弾『ソラトビデオ2』発売。
- 11月27日 - 17thシングル『運命の人』発売。
- この頃から世間で認識された「ほのぼのとした優しい正統派イメージ」と、本来のロックバンドとしての方向性に矛盾を覚え、メンバーが悩み始める。一時草野は「解散・引退も考えた」と後のインタビューで語っている。
- 3月18日 - 18thシングル『冷たい頬』発売。
- 3月25日 - 8thオリジナルアルバム『フェイクファー』発売。
- 7月7日 - 19thシングル『楓/スピカ』発売。初の両A面シングル。
- 1月1日 - セルフ・プロデュースによるEPアルバム『99ep』発売。
- 3月25日 - シングルのカップリング曲などを収録したアルバム『花鳥風月』を発売。
- 4月7日 - ライブビデオ集第2弾『JAMBOREE 2』発売。
- 4月28日 - 20thシングル『流れ星』発売。
- 12月25日 - メンバーの意思に反し、当時のレコード会社ポリドールからベストアルバム『Recycle Greatest Hits of SPITZ』を発売。214万枚の大ヒットとなるが、常々「ベストアルバムは解散のときに出すもの」と考えてきたメンバーはこれに強く反発する。
メンバーがマイアミでアルバムを製作中に発売の決定が伝えられたことから、関係者の間ではこの騒動を「マイアミショック」と呼ぶ。
発売にあたって「最低限の仁義」として、アルバムタイトル、曲目の決定にはメンバーが強く関与。また、アルバムのマスタリング作業には、メンバー全員が立ち会った。
なお、一連の経緯から、非公式アルバムとされ、公式サイトにこのアルバムの記載はない。
- 4月26日 - 21thシングル『ホタル』発売。初のマキシシングル。
- 6月21日 - 22ndシングル『メモリーズ/放浪カモメはどこまでも』発売。
- 7月26日 - 9thオリジナルアルバム『ハヤブサ』を発売。それまでのイメージを覆し、ロックバンドの色彩を強めたアルバム。
因みに、収録曲『8823』は、椎名林檎がライブでのみカバーした事が有る。 - 9月6日 - ビデオクリップ集第3弾『ソラトビデオ3』発売。
- 5月16日 - 23rdシングル『遥か』発売。
- 6月6日 - DVD『ソラトビデオ・カスタム』、『ジャンボリー・デラックス』を同時発売。
- 10月11日 - 24thシングル『夢追い虫』発売。
- 12月12日 - 25thシングル『さわって・変わって』発売。
このシングル以降、ユニバーサル側が邦楽でのポリドールレーベルの使用を縮小したこともあり、ポリドールからは決別。販売元がユニバーサルJに変更されている。
- 12月17日 - 完全限定生産DVD BOX『放浪隼純情双六 Live 2000-2003』発売。
- 1月21日 - 28thシングル『スターゲイザー』発売。オリコンチャートでは、15thシングル『スカーレット』以来、7年ぶりに1位を獲得した。
- 3月17日 - 2枚目のカップリング曲などを収録したアルバム『色色衣』を発売。
- 11月10日 - 29thシングル『正夢』発売。フジテレビ系ドラマ『めだか』、フジフィルム 企業CMのダブルタイアップ。
- 1月12日 - 11thオリジナルアルバム『スーベニア』発表。
- 4月20日 - 30thシングル『春の歌』発売。アルバム『スーベニア』からのシングルカット。
- 8月3日 - ビデオクリップ集第4弾『ソラトビデオ4』発売。
- 2005年度オリコン好きなアーティストランキングに8位に選ばれる。
- 1月 - 1999年発売のベストアルバム『Recycle Greatest Hits of SPITZ』を1月をもって製造を中止。
- 3月25日 - デビュー15周年記念日に30枚のシングル曲を収録したシングルコレクション
『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』、『CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection』を同時発売。 - 7月12日 - 31stシングル『魔法のコトバ』発売。
- 2006年度オリコン好きなアーティストランキング2位に選ばれる。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- 『ヒバリのこころ/ビー玉』(1991.3.25 POCH-1973)
- 『夏の魔物/ニノウデの世界』(1991.6.25 POCH-1974)
- 『魔女旅に出る/鳥になって』(1991.10.25 POCH-1975)
- 『惑星のかけら/マーメイド』(1992.8.26 POCH-1976)
- 『日なたの窓に憧れて/コスモス』(1992.11.26 POCH-1977)
- 『裸のままで/心の底から』(1993.7.25 POCH-1978)
- 『君が思い出になる前に/夏が終わる』(1993.10.25 POCH-1979)
- 『空も飛べるはず/ベビーフェイス』(1994.4.25 POCH-1980)
- 『青い車/猫になりたい』(1994.7.20 POCH-1981)
- 『スパイダー/恋は夕暮れ』(1994.10.26 POCH-1982)
- 『ロビンソン/俺のすべて』(1995.4.5 POCH-1983)
- 『涙がキラリ☆/ルナルナ』(1995.7.7 POCH-1984)
- 『チェリー/バニーガール』(1996.4.10 POCH-1985)
- 『渚/旅人』(1996.9.9 POCH-1986)
- 『スカーレット/うめぼし(Live Version)』(1997.1.29 POCH-1987)
- 『夢じゃない/君だけを』(1997.4.23 POCH-1988)
- 『運命の人/仲良し』(1997.11.27 POCH-1989)
- 『冷たい頬/謝々!』(1998.3.18 POCH-1990)
- 『楓/スピカ』(1998.7.7 POCH-1991)
- 『流れ星/エトランゼ(TANAYAMIX)/愛のしるし(Live)』(1999.4.28 POCH-1992)
- 『ホタル/ムーンライト/春夏ロケット』(2000.4.26 POCH-1934)
- 『メモリーズ/放浪カモメはどこまでも』(2000.6.21 POCH-1962)
- 『遥か/船乗り』(2001.5.16 UPCH-5055)
- 『夢追い虫/大宮サンセット』(2001.10.11 UPCH-5070)
- 『さわって・変わって/ガーベラ/放浪カモメはどこまでも(Live)/稲穂』(2001.12.12 UPCH-5075)
- 『ハネモノ/SUGINAMI MELODY』(2002.8.7 UPCH-5110)
- 『水色の街/孫悟空』(2002.8.7 UPCH-5111)
- 『スターゲイザー/三日月ロック その3』(2004.1.21 UPCH-5230)
- 『正夢/リコリス』(2004.11.10 UPCH-5277)
- 『春の歌/テクテク』(2005.4.20 UPCH-5305)
- 『魔法のコトバ/シャララ』(2006.7.12 UPCH-5405)
[編集] 7インチシングル
- 『ロビンソン/涙がキラリ☆』(1995.8.25 POKH-1001)
- 『チェリー/空も飛べるはず』(1996.7.7 POKH-1002)
- 『渚/スカーレット』(1997.8.8 POKH-1003)
[編集] アルバム
[編集] オリジナルアルバム
- 『スピッツ』(1991.3.25 POCH-1080)
- 『名前をつけてやる』(1991.11.25 POCH-1103)
- 『惑星のかけら』(1992.9.26 POCH-1148)
- 『Crispy!』(1993.9.26 POCH-1270)
- 『空の飛び方』(1994.9.21 POCH-1392)
- 『ハチミツ』(1995.9.20 POCH-1527)
- 『インディゴ地平線』(1996.10.23 POCH-1605)
- 『フェイクファー』(1998.3.25 POCH-1685)
- 『ハヤブサ』(2000.7.26 POCH-4001)
- 『三日月ロック』(2002.9.11 UPCH-1172)
- 『スーベニア』(2005.1.12 UPCH-1380)
[編集] ミニアルバム
- 『オーロラになれなかった人のために』(1992.4.25 POCH-1133)
[編集] EPアルバム
- 『99ep』(1999.1.1 POCH-1750)
[編集] その他企画アルバム
[編集] ベストアルバム(非公認)
- 『Recycle Greatest Hits of SPITZ』(1999.12.15 POCH-1900)
[編集] シングルコレクション
- 『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』(2006.3.25 UPCH-9231)
- 『CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection』(2006.3.25 UPCH-9232)
[編集] トリビュートアルバム
- 『一期一会 Sweets for my SPITZ』(2002.10.17)
[編集] ビデオ/DVD
- 『ソラトビデオ』(1995.4.26 POVH-1046)
- 『JAMBOREE 1』(1996.10.10 POVH-1052)
- 『ソラトビデオ 2』(1997.7.7 POVH-1057)
- 『JAMBOREE 2』(1999.4.7 POVH-1076)
- 『ソラトビデオ 3』(2000.9.6 UPVH-1001(VIDEO)/UPBH-1009(DVD))
- 『ソラトビデオ・カスタム』(2001.6.6 UPBH-1025)
- 『ジャンボリー・デラックス』(2001.6.6 UPBH-1026)
- 『放浪隼純情双六 Live 2000-2003』(2003.12.17 UPBH-9135/6)
- 『ソラトビデオ 4』(2005.8.3 UPBH-1170)
[編集] タイアップ一覧
- 『君が思い出になる前に』「あしたのもと味の素ギフト」CMソング
- 『空も飛べるはず』フジテレビ「白線流し」主題歌
- 『青い車』テレビ朝日「OH! エルくらぶ」エンディングテーマ
- 『スパイダー』ニッポン放送「伊集院光のOh!デカナイト」テーマ曲
- 『ロビンソン』フジテレビ「今田耕司のシブヤ系うらりんご」テーマ曲
- 『涙がキラリ☆』『楓』TBS「COUNT DOWN TV」オープニングテーマ
- 『渚』グリコ「ポッキー」CMソング
- 『スカーレット』TBS「メロディ」主題歌
- 『夢じゃない』テレビ朝日「ふたり」主題歌
- 『冷たい頬』コニカ「Revio」CMソング
- 『楓』TBS 「CDTV」 1997年1月~6月
- 『ホタル』朝日放送開局50周年 テーマ曲
- 『スピカ』日本航空「リゾッチャ」CMソング フジテレビ「ハチミツとクローバー」挿入歌
- 『遥か』TBSドラマ「ラブストーリー」主題歌
- 『夢追い虫』東宝洋画系映画・CX系ドラマ「プラトニック・セックス」主題歌
- 『ハネモノ』カルピス「カルピス」CMソング
- 『スターゲイザー』フジテレビ「あいのり」主題歌
- 『正夢』フジテレビ「めだか」主題歌 「富士写真フイルム」CMソング
- 『春の歌』『みそか』「アクエリアス」CMソング
- 『ハチミツ』『多摩川』『魚』『Y』『夜を駆ける』『月に帰る』フジテレビ「ハチミツとクローバー」挿入歌
- 『魔法のコトバ』映画「ハチミツとクローバー」主題歌
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- SPITZ OFFICIAL WEB SITE - Road&Sky
- スピッツ - ユニバーサルミュージック
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