Pentium II
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Pentium II(ペンティアム ツー)はインテルが1997年2月に発売した80x86アーキテクチャのCPUである。
Pentium IIという名称が付けられているが、内部構造はPentiumではなくPentium Proがベースであり、Pentium Proで初めて採用されたP6マイクロアーキテクチャの弱点であった16ビットコードの処理速度を改善し、MMXと呼ばれる拡張命令を追加したものである。
Pentium ProではCPUパッケージ内にCPUコアと2次キャッシュメモリがそれぞれ1枚ずつ封入されていた。この2次キャッシュに用いられていたSRAMは、リフレッシュ不要で高速動作が可能であったが、高クロック対応品は主に汎用機やスーパーコンピュータでのキャッシュメモリとしての使用を前提として開発、販売されていたため、消費電力、価格共々非常に高く、また、歩留まりも非常に悪かったため、常識的な価格帯においてPentium Proのクロックを向上させる事は困難とされた。
また、この1つのパッケージに複数のシリコンチップを封入すると言う構造はIntergraph社の特許であり、Intel社は同社にこの特許に基づいた訴訟を起こされていた関係もあって、継続して使用することは困難であった。
Pentium IIからはCPU基板の上にCPUコアチップとコアチップの1/2の速度で動作する2次キャッシュメモリチップが実装され、S.E.C.C. (Single Edge Contact Cartridge) ならびにS.E.C.C.2 (Single Edge Contact Cartridge 2) と呼ばれるファミコンのROMカートリッジのようなパッケージに封入した。これにより製造不良率が低下し、製造原価、販売価格の低下に寄与し、後のコアクロック向上による性能向上を容易にした。
[編集] 第一世代"クラマス" (Klamath)
0.35μmプロセスで製造され、バス速度は66MHzであった。これはP6アークテクチャの本領を発揮するには不十分な速度であり、またこのチップは非常に消費電力が大きく高熱を発した。特に300MHz動作品は最大44.4Wの電力を消費し、Xeonを除いてはP6系プロセッサ第一位の消費電力となっている。ちなみに、第二位はPentium III 1.13GHz (S.E.C.C.2 / Coppermine) で41.4W、第三位がPentium III 600MHz (Katmai) で41.3Wである。
なお、この世代のカートリッジは4枚のSRAMチップが基板上に実装されており、2枚1組でインターリーブ動作することで2次キャッシュ速度の低下を極力隠蔽する設計となっていた。
[編集] 第二世代の "デシューツ" (Deschutes)
1998年に登場した。0.25μmプロセスで製造され、FSB速度は100MHzへ高められた。課題であった発熱は抑えられ、処理速度は大幅に向上した。
ただし、2次キャッシュのSRAMは動作周波数の高速化に伴う配線レイアウトの困難さと、製造コスト、それに消費電力の問題から2枚のみ実装とされたため、2次キャッシュへの局所的なメモリアクセスが大量に発生するプログラムの場合、同一クロック動作時にはKlamathコアの方が有利になるケースが存在したが、この世代におけるCPUクロックの高速化による性能向上は、そういった特殊な条件での不利を隠蔽するに十分なものであり、市場においてもこのことが問題となるケースは事実上皆無であった。
また、この世代以降のP6系コンシューマー向けCPUではPentium Proと同様に2次キャッシュの有効レンジが従来の512MBから4GBに拡大されたため、大量にメモリを搭載したPCで512MB以上の実メモリ空間へアクセスした際にメモリアクセスに巨大なペナルティが発生することが無くなったのも、重要な改良点であった。
低価格PC向けとしてPentium IIの外付け2次キャッシュメモリを削減(あるいは削除)した製品がCeleronとして投入され、サーバ用途にはキャッシュメモリを増量したPentium II Xeonが発売された。
後継プロセッサはPentium IIIである。
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